路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【HUNTER・08.01】:中央署「門前払い」の真相(上)| 鹿児島県議会総務警察委員会、自民議員と県警の茶番

2024-08-25 06:42:20 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【HUNTER・08.01】:中央署「門前払い」の真相(上)| 鹿児島県議会総務警察委員会、自民議員と県警の茶番

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・08.01】:中央署「門前払い」の真相(上)| 鹿児島県議会総務警察委員会、自民議員と県警の茶番  

 続発する鹿児島県警の不祥事を受け、今月19日に開かれた鹿児島県議会総務警察委員会。質問のトップバッターとなった自民党の鶴薗真佐彦県議会議員と県警が、“事前の答え合わせ”をうかがわせる質疑を展開した。報道されてきた複数の警官不祥事について一つひとつ尋ね、それに対する県警側の答弁内容に理解を示す鶴園県議――。腐敗組織の主張を既成事実化することに狙いがあったとみられてもおかしくない茶番劇だった。

 とりわけ、2021年秋に起きた鹿児島県医師会の男性職員(2022年10月に退職)による強制性交事件に関する質疑は、被害を訴えてきた女性に対する侮辱以外の何ものでもない。

 ■県警の主張、丸呑み容認

 鶴薗氏が質問したのは以下の項目についてだ。

 ・野川明輝県警本部長による隠ぺい指示が疑われている枕崎署員による盗撮事件
 ・報道機関であるハンターに対する家宅捜索の問題
 ・捜査当局にとって都合の悪い文書の廃棄を促した「刑事企画課だより」の問題
 ・立件されなかった、霧島署員による巡回連絡簿を悪用したストーカー事案
 ・現職軽視による超過勤務手当の詐取・県警によって証拠隠滅が行われた、霧島署員によるクリーニング店の女性従業員に対するストーカー事件

 いずれも、野川本部長による隠ぺい指示や、組織ぐるみの不当捜査が疑われる事案。ハンターだけでなく、複数のメディアに指摘されてきた「県警の闇」に関するものばかりだ。それらの質問に対する県警側の答弁は、すべてこれまでの会見などで主張してきた“卑劣な言い訳”の繰り返しとなった。

 野川本部長や組織の不正を頭から否定し、警察官による犯罪行為を矮小化するなどして批判をかわそうとする幼稚な内容。内部告発者はもちろん、県警を批判する報道も許さないという、歪んだ組織の強い意志が示された。当然、事件被害者への配慮は皆無。いまも苦しむ関係者に、質疑を通して二次被害を与えた形となっている。

 これに対し、質問した鶴薗氏は子供でさえ信じないであろう県警側の言い訳を、「わかりました」などと一々納得した上で次の答えを促すという三文芝居。その場で初めて出てきたはずの答弁を受けての感想さえも、事前に用意されていた「原稿」を読み上げるという展開だった。自民党のトップバッター鶴薗氏は、県警の主張に疑問を呈するどころか、丸呑みして免罪符を与えるがごとき姿勢に終始した。本稿ではすべてを紹介できないが、詳しいやり取りを知った県民の多くは呆れることだろう。

 ■質疑で露呈した県警と県議の本音

 ハンターが報じてきた内部告発は3件。不当捜査の証拠となった「告訴・告発事件処理簿一覧表」、「闇をあばいてください」で始まる隠ぺいの実態を明かした文書、「○○先輩へ」と記されたストーカー事件の不当性を指摘する文書――。こうした内部告発の発端となったのが県医師会の男性職員による強制性交事件だったことは何度も述べてきた。鶴薗県議はその件に関する質問も行ったのだが、県警側の答えと質問者の発言から、言い逃れする捜査当局の汚なさと性被害に対する無理解が歴然となる。「一部を切り取った」と反論されないよう、強制性交事件に関する質疑のすべてを以下に示す。

鶴薗県議:元巡査長がおかしかったと言っているこの性犯罪事件ではですね、報道各社それぞれ扱いが違うんですけれども、一部の報道では告訴相談で受け渋りがあったようなことがあって、事件捜査にも時間がかかり過ぎたという指摘もありますが、この点も含めて性犯罪事件の概要をちょっと教えていただけませんか。

竹中刑事企画課長:お答えいたします。まず、告訴状によりますと、告訴人の女性は令和3年9月頃、鹿児島県内の宿泊療養施設内で、被告訴人から複数回、性的暴行を受けたとされている事案でございます。

本件に係る捜査員と告訴人とのやりとりにつきましては、告訴状の写しを一旦警察側で預かったものの、警察署内の連携不足から、相談の当日に被害者に当該写しを返却していることが事実であります。被害者が受け渋りととらえても仕方のない対応であり、批判については、真摯に受けとめ、今後の反省教訓としたいと考えております。

その上で、一般論として申し上げますと、性犯罪に関する被害の届出がなされた場合は、被害者の立場に立ってこれに対応すべきであり、その対応においては例えば警察が被害届の受理を渋っているのではないかなどと受けとめられることのないよう、県警察では被害者の心情に配慮するよう指導しているところでございます。

また、事件捜査に時間がかかり過ぎとのご指摘につきまして、県警察では、告訴を受理した際、速やかに所要の捜査を遂げて検察庁に送付するよう指導しているところでございます。

他方で、一般論として申し上げますと、性犯罪事件の捜査につきまして、例えば、密室での行為であれば、被害者及び被疑者からその前後関係を含めて詳しく事情を聴取する必要があるほか、被害者と被疑者の関係性、被疑者の認識動機をはじめとする捜査項目が多岐にわたり、捜査事項によっては第三者からの協力も得る必要が生じてくるなど、一定期間、時間を要する場合もあることをご理解いただきたいと思います。以上でございます。

鶴薗県議:この種の事件は、私もOBの仲間の人たちと話をすれば、男女間のいろんな問題、この種の事件は結構多いんだけども、今説明があったように、立件というところまでは、途中でお互いのあれが済んだりして、なかなかという部分を聞きましたので理解してますが、ただ、受け渋りについてはですね、報道によると、他にも鹿児島南署の詐欺事件の件が問題だとされております。・・・(以下、省略)。

 

 まず、この質疑で明らかになったのは、次の3点である。

 1)県警が「受け渋り」という言葉を使って、強制性交事件の初動で起きた被害者に対する「門前払い」を初めて認めた。

 2)告訴状の写しをとりながら、なぜかそれを被害者に渡していた。

 3)鶴薗県議が、性被害の訴えが立件されないことに理解を示した。

 県警の主張の組み立ては、問題の矮小化、あるいはごまかしを狙うためのものだ。受け渋りや捜査の停滞について指摘されたことを一応認めた上で、「一般論」を持ち出して事実上の反論をするという手法である。

 「一般的には、こういうやり方をするものだが、今回は違う方法をとってしまった」という言い方と、「こういうことを言われているが、一般的にはこうやるんだ」では、受け止め方がまるで違ってくる。県警の言い分は、後者の手法によるもの。何の反省もなく、自己都合でルール違反や違法性を否定したと言っても過言ではあるまい。

 県警の答弁以上に問題なのは、鶴薗氏の「男女間のいろんな問題、この種の事件は結構多いんだけども、今説明があったように、立件というところまでは、途中でお互いのあれが済んだりして、なかなかという部分を聞きましたので理解してます」という発言だ。

 「OBの仲間の人たち」が県警のOBなのか県議のOBなのか判然としないが、鶴薗氏は、その連中から聞いた話によって「この種の事件は結構多い」「立件というところまでは、途中でお互いのあれが済んだりして、なかなか」という認識を持つに至ったようだ。個人としてどう考えようが勝手だが、政治家としていかがなものだろう。強制性交(現在は「不同意性交」)などの事件が多いことを問題視するどころか、“立件がなかなか難しい”ことを“理解してます”というのだから、救いようがない。「こんなことではいけない!」という趣旨の発言が一切ないところに、この議員の心底が透けて見える。性被害撲滅には関心がないということだ。そもそも、「途中で」「済んだ」という「お互いのあれ」とは何なのか?

 県医師会の男性職員による強制性交事件では、告訴状を提出しに出向いた被害女性を、窓口になった鹿児島中央署が「門前払い」にしたことが明らかになっている。県警や鶴薗氏ははそのことを「受け渋り」という言葉でごまかしたが、渋ったのではなく、完全拒否だったことは確か。だいたい、「渋る」というのは、いやいやながらでも行為を行った時につかう言葉で、受け取っていない以上「受け渋り」とは言えまい。日本語の使い方を間違っている。

 このお粗末なやり取りの中でハンターが最も注目したのは、県警側が明かした「告訴状の写しを一旦警察側で預かったものの、警察署内の連携不足から、相談の当日に被害者に当該写しを返却」したとする発言だ。「連携不足」で思い起こされるのは、枕崎署員による盗撮事件。実際には隠ぺい指示によるものだったにもかかわらず、「連携ミス」で捜査が遅れたとして片付けたのと同じ逃げ方だ。

 しかし、狭い警察署内で連携不足が起きるわけがない。その日の状況を克明に追えば、県警の議会答弁がいかに都合よく脚色されたものなのか分かる。次稿では、被害女性が残していた記録を基に、県警による「門前払い」の真相を明らかにする。(中願寺純則)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【疑惑・鹿児島県警の不正疑惑・鹿児島県議会総務警察委員会】  2024年08月01日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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