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路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説・11.07】:トランプ氏勝利 分断あおる政治を改めよ

2024-11-09 07:00:30 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【社説・11.07】:トランプ氏勝利 分断あおる政治を改めよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・11.07】:トランプ氏勝利 分断あおる政治を改めよ 

 歴史的な大接戦が予想された米大統領選で、共和党候補のトランプ前大統領が民主党候補のハリス副大統領を破り、勝利した。

 トランプ氏は「米国は助けを求めている。われわれの運動は国を癒やすのを助けていく」と、返り咲きの勝利宣言で述べた。だが選挙戦を見る限り、国民融和という大統領の役割を無視し、国際協調路線に背を向けている。

 「米国第一」主義に振り回されるのはもうたくさんだ。トランプ氏は国際社会に信頼されるリーダーを目指し、分断をあおる政治を改めなければならない。

 選挙戦でトランプ氏は、バイデン政権下でインフレが進んだと批判。メキシコと接する南部国境で不法移民流入が急増したと訴え、有権者の不満をうまく取り込んだ。強権的な手法をいとわぬトランプ氏に現状打破を求めたのだろう。7月には選挙集会で暗殺未遂事件が発生。ひるまずに強い指導者像を打ち出した。

 3年前の議会襲撃事件で起訴され大統領の適格性が疑問視されても有権者は目をつぶった。選挙戦で陰謀論や偽情報が絶えず、中傷合戦が過熱した。そんな現状を中国は「米国式民主主義の欠陥」と批判する。トランプ氏は自らの振る舞いで米国の民主主義が揺らいでいると自覚すべきだ。勝利した今だからこそ、反対する国民や政治家の意見にも耳を傾けてもらいたい。

 国際舞台においても、同盟軽視の外交を展開し、独裁的な指導者とのディール(取引)も辞さない構えである。

 ロシアの侵攻を受けるウクライナへの支援に消極的で、プーチン大統領との個人的関係をてこに停戦仲介に意欲を見せる。ウクライナに領土割譲を求めればゼレンスキー大統領や北大西洋条約機構(NATO)の反発は必至で、西側諸国の結束に亀裂が入る。

 パレスチナ自治区ガザを巡ってはイスラエル支持が鮮明で、緊迫する中東情勢に影響を及ぼす。中国との関係は関税強化で厳しい局面が続きそうだ。一方で習近平国家主席や北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記との直接対話に乗り出すことも考えられる。周辺国にはかつてのような疑心暗鬼が渦巻きかねない。世界の平和と安定はディールでは実現し得ないと理解すべきだ。

 被爆地として核政策の行く末を注視する必要がある。トランプ氏は前任期中、「使える核」と位置付けた小型核兵器の開発を進め、ロシアとの中距離核戦力(INF)廃棄条約を失効に追いやった。日本被団協のノーベル平和賞受賞決定で高まった「核兵器のない世界」への機運をしぼませてはならない。

 日本はトランプ政権といかに向き合うべきなのか。米軍駐留経費の負担増などを迫られる可能性がある。反対を表明している日本製鉄の米鉄鋼大手買収の行方を含め、経済への影響は不可避だ。外交では同盟関係を維持しながら、台湾への威圧を強める中国などとも対話も重ねる必要がある。法の支配を重視する多国間の枠組み維持に向け、難しいかじ取りが求められる。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月07日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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