【天風録・11.08】:宮島と地位協定とトランプ氏と
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録・11.08】:宮島と地位協定とトランプ氏と
紅葉の見頃は少し先になるが、11月は宮島観光の書き入れ時だ。やはり不安の種となろうか。米海軍の空母が近く横須賀に帰着し、艦載機部隊が岩国基地に戻ると外務省が発表した。滑走路の目と鼻の先にある神宿る島が訓練の騒音に悩まされて久しい
▲世界遺産の厳島神社の近辺や弥山で、不快なごう音を幾度聞いたか。艦載機の移転から6年、測定回数は何倍にも増えた。神秘的な空気が台無しになり、興ざめした観光客は多いだろう
▲日米地位協定と聞くと米兵犯罪の甘い処分が思い浮かぶ。いつ、どう飛んでもいいと米軍機がわが物顔になる根拠でもある。そんな協定見直しを石破茂首相はかねて唱えていたはずだが
▲トランプ氏の大統領返り咲きで、早々に封印しそうだ。日本持ちの米軍駐留経費を増やせ、防衛費をもっと上積めと無理難題を言われかねない。それどころではないのが本音としても、ご機嫌伺いばかりなら情けない
▲事故の恐怖もさることながら守るべき静寂がある。トランプ氏に宮島、そして言うまでもなく原爆ドームへの招待状を送りたい。1期目にユネスコ脱退で物議を醸した本人は「世界遺産など関係ない」とどこ吹く風かもしれないが。
元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】 2024年11月08日 07:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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