【視点・12.04】:貨物新幹線構想 「脱炭素」で道筋を 編集委員・嶋田昭浩
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【視点・12.04】:貨物新幹線構想 「脱炭素」で道筋を 編集委員・嶋田昭浩
「ニーズがきちんと確認できれば、1編成(全体)で荷物を運ぶ新幹線を視野に入れて事業化を検討している」
新幹線への荷物専用車両の導入に動きだしたJR東日本の喜勢陽一社長に、荷物専用列車まで想定しているのかどうかを10月8日の記者会見で尋ねたところ明快な答えが返ってきた。1964年の東海道新幹線開業以来、新幹線は旅客輸送の手段として拡大。ここ数年、JR東日本を中心に、車内販売の準備スペースなどを活用した荷物輸送に取り組んでいるが、列車の一部ではなく全体を荷物車両にするのは、本格的な事業展開を意味する。喜勢社長は「何年ごろにということは言えないが、100億円ぐらいの取り扱いができないと事業ではない」と言い切った。
87年の国鉄分割・民営化に当たって、旅客輸送は全国を6地域に分けた旅客会社6社が引き継ぐ一方、貨物輸送は全国一元でJR貨物が担う。JR貨物は旅客6社所有の線路を借りる形で、6社に使用料を支払って貨物列車を走らせる仕組みがつくられた。
JR貨物の犬飼新(しん)社長はこれまで、新幹線を巡る旅客各社の動きについて「将来的に(旅客会社が)車両を改造して、より大量の荷物を積めるようになれば、JR貨物の領域に入ってくる」と語ってきた。国鉄改革の流れを踏まえた旅客・貨物のすみ分けは大丈夫なのか。10月17日の記者会見であらためて見解を聞く...、残り 574/1148 文字
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元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【視点】 2024年12月04日 06:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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