たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

月組『エリザベート』

2018年10月20日 20時35分27秒 | 宝塚
 昨夜はなんとか6時間半ぐらいの睡眠からの土曜日、無事にマンション引き上げられるかなとか、あと三週間の仕事がきついな、気が重いことばかりだなって頭の中をよぎりながらも、開演して集中しているとあっという間でした。宝塚の『エリザベート』を生で観劇するのは20年ぶり。宙組のずんこさんトート以来、あの時は1000Days劇場でした。久しぶりに宝塚の『エリザベート』をみたぞ!っていう感じでした。1日に宝塚大劇場の千穐楽ライブビューイングをみているのでちょっと変な感じでした。こうして本拠地でサヨナラショーを終えたあと、東京の劇場でさらなる舞台をみているのだと実感しました。指揮は西野淳先生。花組千穐楽から一週間とあかずにハードなスケジュール。二階席だと銀橋にスポットライトがあたったとき生徒さん越しに先生の背中もよくみえるし、暗がりの中でもけっこう先生の背中もオペラグラスで追ってしまいました。気がついたら前に乗り出し気味になってしまいうしろの席の方に迷惑かけてしまったみたいです。すみませんでした。先生の背中も生徒さんの全身も観ようと思うと乗り出し気味ならないと観えなくって、失礼しました。ライブビューイングの時にも思いましたが、オーケストラも舞台の一部、指揮者の先生と生徒さんたちは呼吸を合わせながら一緒に舞台をつくっているのだと、生演奏ならではの醍醐味であり、贅沢なことなのだと。場面場面によって指揮者の動きも大きくなったり、小さくなったり、全身で動いたり、手先だけだったり、一緒に作品の時間を生きているのだと。全編歌なのでずっと演奏は続きます。オーケストラボックスも一瞬の気を抜くこともなく、演奏し続けているわけで、東宝『エリザベート』は、オーケストラメンバーに参加するとすごくエネルギーを削がれるという声を読んだことがありますが宝塚はどうでしょうか。いずれにしろ神がかり的な楽曲の数々。再演を繰り返しながらも演出はほとんど変わらず、フィナーレのロケットダンスの衣装と振付、トップスターのソロダンスからの男役群舞のダンスの振付も初演からほとんど変わっていないかな。フィナーレを観ると、宝塚のエリザベートを観たぞっていう、懐かしい感覚。それでも演者が違えば新しい作品に出会ったような感覚もありました。あとシシィが「私だけに」を歌い終わろうとする頃、盆が回ってベッドが下りた後のセリがふさがりドライアイス?の中をトートがせり上がってくるところも宝塚のエリザっていう感じで大好き。

 ライブビューイングをみているので顔は見分けやすかったです。専科の方が出演していないので若い『エリザベート』でした。珠城りょうさんトートがまず歴代の中で一番若いトート、生命力のあるトートだと感じました。マックスパパは、『雨に唄えば』で女役さんを演っていた輝月ゆうまさん、男役で髭をつけるとかなりのイケメン。歴代一番若いパパ役ではないでしょうか。ママのルドヴィカもリヒテンシュタイン伯爵夫人も若いと思いました。愛希れいかさんは元気印のお転婆シシィ、木登りの場面、ライブビューイングの時はべぇってやっていたの今日はなかったかな、身体能力が高い方なんでしょうね。ほんとに木登りしそうな勢いでした。できちゃうんじゃないかっていうパワフルさ。それじゃあシシィじゃない、エリザベートじゃないじゃないかっていう向きもあるかと思いますが、それぞれの『エリザベート』、わたしの中ではいいんじゃないかって、面白いじゃないかって思いました。初演の時は今振り返ると衣装代もそれほどかかっていなかったのかな。トップスターが退団で死神をやることを受け入れられなかったし、劇団の予算も限られていたって一路さんがどこかで話されていたと思います。鬘と衣装のバリエーションは格段に進化しました。珠城さんトート、鬘にも衣装にも緑が使われていたのがよくお似合いでした。彼女が本来持っている娘役を包み込む包容力が、最後にようやく自分のもとにやってきたシシィを抱き留めるときにうまく滲み出ていたように感じました。フィナーレのデュエットダンス、愛希さんの動きとポージングがすごく美しくて素敵でした。美弥るりかさんのフランツ、わたしの中で高嶺ふぶきさんと甲乙つけがたい、優しくて嫁と姑の間に挟まれて苦悩する旦那さん像。軍服の立ち姿が美しい方だと思いました。月城かなとさんのルキーニは、作品世界と客席とのつなぐルキーニとしてはまだ弱いかなと感じました。すっごい美人さん、イケメンを隠してお鬚つけて健闘されていました。轟悠さんのルキーニがあまりにもルキーニ過ぎて歴代キャスティングそれぞれ苦労されているのかな、まだまだ進化の余地ありだと思います。暁干星さんのルドルフ、若さと完成度の高さが見事だと思いました。ルドルフダブルキャストの風間柚乃さんはシュテワンでしたが強かったです、目立っていました。声にひかれました。どなたなのだろうって気になりました。おじいちゃんのドクトルゼーブルガー、東宝エリザベートの城たんのように杖ついて足を引きずりながら登場していましたね。なかなかに好きです。

 色々ときりがありません。今日はこれぐらいにしておきます。一週間後は早霧せいなさんのるろ剣に、星組台湾公演のライブビューイング。こうして日比谷を訪れるのは今日が最後、東京宝塚劇場を訪れるのも今日が最後。12月にシアタークリエのチケットを取ったのでまた行けますが、こっちに暮らしながら訪れのは今日が最後。郷里に帰れば今までのようにはいかなくなります。最後なのだと心して観劇しました、東京宝塚劇場との別れを惜しみました。一回一回、一期一会の出会い。





公演デザートがお昼ごはんでした。


 
ちゃぴさんとみりおさんを一緒におさめました。



ラウンジの光景。










こちらは9月26日の東京宝塚劇場にて。

東日本大震災のあと真っ先に援助の手を指しのべてくれた台湾、親日的な台湾、年配の方々は日本語も話せたりするとききます。旅行好きなのが日本人と台湾人だときいたことがあります。行きたくてもさすがに行けません、公演の成功を日本からお祈りしています。