たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

花組『CASANOVA』_東京宝塚劇場千穐楽ライブビューイング(2)

2019年05月06日 23時07分20秒 | 宝塚
 自分の今の気持ちをどう表現したらいいのか、言葉を選びながら静かに自分に、そして観客に語りかける姿が心に沁みた桜咲彩花さんの退団挨拶でした。SNSに文字で起こしてあがっているのを、すみません、勝手に使ってしまいます。

「戻ることのない今を人はみな生きている、一つ一つの瞬間を永遠に変えながら。今日朝から1日本当に心と身体でその思いを噛み締める一日でした。私の生きる全てだったこの宝塚の舞台を本当に卒業する今、改めて自分の心の中にある宝塚への想い、重さを深く感じました。今日初めて知るその感情に私自身戸惑い動揺を隠せない中、周りにはそんな私を見て笑顔で支えてくれる心から愛する皆がいました。舞台に立つと客席から温かい拍手をして下さる皆様の姿が見えました。この客席に足を運べなくてこの日に思いを寄せて下さる沢山の方々の思いを受けました。宝塚に出逢えたから宝塚が私にこんなにも沢山の人の心に出逢わせてくれました。目に見て心から「ありがとう」と伝えたい方がこんなにも沢山出逢えたことに心から感謝の気持ちでいっぱいです。」

 宝塚大劇場千穐楽とはまた違った淡い色目のシンプルなブーケも輝くような表情をよりひきたてていたと思います。わたしが10年以上ぶりで宝塚に戻るきっかけとなった『金色の砂漠』、ギイ(明日海りおさん)とタルハーミネ(花乃まりあさん)の愛憎入りまじった関係性が凄まじい作品で、大階段を真っ白な衣装の二人が昇天していくラストシーンが印象的でしたが、ジャー(芹香斗亜さん)とビルマーヤ(桜咲彩花さん)の優しい関係性も印象的な作品でした。そのあと、『仮面のロマネスク』では明日海りおさん、『ポーの一族』では鳳月杏さん、『MESSIAH』では瀬戸かずやさん、『あかねさす紫の花』では明日海りおさんと鳳月杏さん、わたしはみていませんが望海風斗さんとの並びもあったのかな(SNSで画像をみました)、ショーの場面場面でも、どの男役さんと並んでもより相手がひきたち、自分もまたよりいっそうたおやかに輝く、寄り添う力がすごくある娘役さんだと思いながら拝見していました。いるようでいない稀有な娘役さんだと思いました。Wikipediaにあがっている経歴をみると新人公演のヒロイン、バウホール公演でもヒロインをつとめているんですね。もし一作品でもいいのでトップ娘役としてトップスターの隣に立ったらどんな寄り添う力をみせてくれたのだろうという気持ちが残りました。もう少しやってほしかったと、娘役さんの退団にこうして気持ちが残ったのは紫ともちゃんの退団以来かな。(額田王みたかったって今もしつこく思っています・・・)宝塚の切なさを感じました。最後に寄り添ったのは男前な仙名彩世さんのベアトリーチェ、そしてその姿に惚れた水美舞斗さんのバルビ神父といつの間にかダニエラはいつの間にかラブラブになっていました。たおやかに寄り添う姿は娘役の集大成として持ち味がうまく生かされていました。こういうことを書いてしまっていいのかどうかわかりませんが、過去にも二番手娘役として活躍し、トップ娘役になれるだけの華も力もありながらトップ娘役になることなく退団した娘役さんは何人もいらっしゃる。なるかならないかはもしかしたら紙一重のタイミングなのかもしれない、ならなかった(なれなかった?)からといってその娘役さんたちがむくわれなかったのかというとそんなことはない。お名前はあげませんがこの作品のこの役といえばこの方と伝説になっている素敵な娘役さんの舞台は今も心に残っていたりします。なんだろう、うまく言えませんがこうしてこの方が演じたこの役が、と観客の心に残り続ける、ずっと生き続ける、美弥るりかさんが話されたように、人生のエネルギーになっている人が一人でもいる、それは十分すぎるほどに素敵なことなのではないかと思います。清々しい笑顔をみていると、トップになったならなかったと考えることは失礼になってしまうのかなって・・・。

 カーテンコールでは「人生には恋と冒険と明日海りおさん率いる花組が必要だ!」って大劇場に続いて叫んでくれました。昨日は梅田芸術劇場で星組の全国ツアー公演を観劇されたとか、ばっさりショートカットは娘役ロングを維持するの大変だっていうことなんでしょうね。元気でどこかに生きていることがわかればいいかなと思います。わたしがこの世にいる間は舞台の姿を忘れません。お疲れ様でした、そしてありがとうございました。

 どう書いていいのだろうかと一週間思っていて、ようやく書けました。

 馬車のラップの場面、のりのりの楽しいシーンでした。
 いつの間にかラブラブになっているダニエラとバビル神父が可愛すぎ・・・。




花組『CASANOVA』_東京宝塚劇場千穐楽ライブビューイング(1)

2019年05月06日 00時04分47秒 | 宝塚
 世の中ゴールデンウイーク、どうしても交通事故、水の事故は起こり、子どもさんが亡くなってしまうのはつらいですね。こうして無事に生きながらえることができている、それ自体が奇跡なんだなあとあらためて思います。

 夏至に向けて陽がどんどん長くなっているので3時過ぎから資源ごみ回収ボックス経由でマックなどに出向き、作文の試験に向けて必死になっているとあっという間に時間が過ぎてしまい、気がつけばこんな時間の夜型生活、試験は朝らかなのでまずいのですが明日まではよしとしましょう。

 一週間前のことになりましたが、花組のさゆみさん主演の『CASANOVA』、東京宝塚劇場千穐楽ライブビューイングに無事行って帰ってくることができました。(夜帰ってくるとき、最寄駅から家までの道のり、暗くて危ないルートを避けようとした結果暗闇の中で歩いてくる人たちが夜に同化していて至近距離に近づくまでみえなくって自転車でぶつかりそうになったの怖かったのでほんとに無事でよかったのです)。サヨナラショーに、組替え2名、退団者6名の挨拶で終演は20時、あと5分というところで、一時間に一本しかないバスに乗るためには19時55分には映画館を出ざるを得ませんでした。あと5分で鳳月杏さんと明日海りおさんによる花組ポーズがあり、お馴染みの「フォーエバータカラヅカ」で最後の幕が下りたようです。バスの時間が気になってしまうのは私的にはちょっとつらかった。結果的には最後までいてもなんとか間に合ったかもですがお手洗いに行きたかったし、後ろを振り向いたらバスを待つ人の列ができていたので仕方なかったですね。わたし以外にも駅近の映画館に外れてこっちの田んぼの中に来た人たちがいたようだし、人口密度の高い都内は特に激戦、ライブビューイングのチケットに外れた人もいらっしゃるようなので、無事に行くことができただけありがたいですね、日比谷の舞台を、離れていてもみることができるのだからありがたや、ありがたや。

 断片的に印象的だったことを少しずつ・・・。

 脚本の弱さは否めないなあと宝塚大劇場の千穐楽ライブビューイングに続いて思ってしまったのですが祝祭喜歌劇とうたっているだけあってからっとしていて、たまにはいい意味でなにも考えずに楽しめるこんな作品もいいかなと思いました。アドリブ満載で、みなさんのりのりの自由な雰囲気、バルビ神父、コンデュルメル夫人、ゾルチ夫人、ベネラが特に印象強かったです。

 明日海りおさん、心身を削ぐような役柄ではなかったのでほっぺた心なしかふっくらが戻ってきたようにみえてほっとしました。軽やかに楽しみながら演じていらっしゃったかな。史実のカサノバはけっこうとんでもない男みたいですがいやらしくなり過ぎず、同時に女性が惹かれずにはいられないような魅力があり、かつ私的には好きな少年ぽさも残っている感のバランスがよくて、なにより歌声が素晴らしかった。脚本が楽曲と衣装にかなり救われていた舞台だと思うのですが、アルファ波をもつ癒し系ボイスのみりおさんの歌声が心地よく胸に響いてきました。退団に向けてさらに進化している、どこまでもすごい方。最後の最後、ベアトリーチェにあと一日だけ恋人でいたいっていう肝心な台詞を噛みましたね、そこがまたみりおさんらしい。

 序盤、カサノヴァが真っ赤なドレスを着た娘役さんたちと歌い踊るシーンは毎回華やかで素敵。みりおさんのすぐ後ろでポージングを決めている横顔がすごく綺麗な方、ライブビューイングのアップだとすごく目が行きますが、やはり城妃美伶さんですね。彫刻のような美しさ、所作も綺麗だと思いました。花野じゅりあさん、桜咲彩花さん、城妃美伶さん、音くり寿さん、華優希さん、舞空瞳さん・・・、主要娘役さんたちとみりおさんのカサノヴァが次々絡んでいくのですが、けん引していたのは花野じゅりあさんかな。じゅりあさんがけん引しているから娘役さんたちのドレスさばき、所作のひとつひとつまで美しい仕上がりになっていたのかなと思いました。この公演で退団された花野じゅりあさんと桜咲彩花さんの美しさが際立っていました。お二人の言葉少なに語った退団挨拶が、私的にはすごく印象的だったのでそのことを書きたいと一週間思い続けているのですが時間切れとなったのでまた明日以降。

 星組のさゆみさん主演の『鎌足』初日、インスタなどみると?のところも少しありながら生田先生の脚本が創造力で人間関係をうまくかけていていい仕上がりになっていたようでほっとしました。わたし、無事にライブビューイングに行けるのかしら、そこを目指してがんばるのだけど・・・。


(舞台写真は宝塚ジャーナルよりお借りしました。)