たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

2019年1月宝塚歌劇の殿堂_ 星組『Another World』『キラー・ルージュ』

2019年05月15日 23時04分30秒 | 宝塚
2019年1月宝塚歌劇の殿堂_ 星組『Another World』『キラー・ルージュ』


『霧深きエルベのほとり』『エストレージャス』の二本立てが心に沁みすぎた結果、1月に日帰りバスツアーで二度訪れた宝塚大劇場。「宝塚歌劇の殿堂」の画像をようやくチャンネルにまとめました。よろしかったらご覧ください。


 5月11日(土)深夜12時45分からの舞台中継。午前中試験で疲れた身にビールが効いて、怪盗ルージュと赤ずきんちゃんの場面は記憶をなくしてしまいましたが楽しく拝聴。宝物大劇場で収録したものでした。幕開きのチョンパが、東京宝塚劇場も華やかでしが広い広い宝塚大劇場だとさらに華やかなのが臨場感たっぷりに伝わってくるカメラワーク。東京宝塚劇場は宝塚大劇場よりも台詞のテンポがかなりゆっくりになっているというつぶやきをみかけましたが、たしかに東京よりも早口ですね。これが本場なのかという感じです。紅ゆずるさんの関西弁が冴えわたっていて、早口で捲し立てているのですが全部きれいに聴き取ることができるし響きが美しい。ほぼ出ずっぱりの一時間半。30分の休憩をはさんでこれまたほぼ出ずっぱりのショー。あらためてすごいなと思いました。

 楽しくて元気をもらえる二本立て。心に沁みます。社会にうんざりなったとき、人に疲れた時、それでも人間まんざらでもないな、生きているのも悪くないな。やさしくそう思わせてくれる二本立て。『霧深きエルベのほとり』『エストレージャス』の二本立てと双璧で紅ゆずるさん率いる星組でしか上演できなかった作品、楽しく優しくあったかく、疲れた心を包んでくれます。有紗瞳さん演じるめいど・かふぇの茶屋娘初音ちゃんの「みんな一生懸命生きとるんや」も沁みました。関西弁と笑いをとっていく芝居の間にすごく苦労されたそうですが七海ひろきさん演じる喜六がすごく可愛いし、礼真琴さんの徳三郎さんはいなせな江戸っ子ぶりがなかなかの芝居心。関西弁と東京弁が同時に存在するのは外部でもないそうです。オーケストラボックスの指揮は芝居、ショー共に上垣聡先生。その頃のブログを今一度拝見しました。一般人を笑わせることはすごく難しくこういう作品こそ十分な稽古が必要、星組生たちの役者魂を多くの人にみてほしいとあります。谷正純先生といえばわたしの中では天海祐希さん主演の『エールの残照』なのですが、落語作品も上演されてきたんですね。いつか役者を得たらとあたためてきた題材とあって脚本がよくできています。主演の紅ゆずるさんが役柄にぴたっとはまると星組がみんなぴたっとはまって、こんなに個性的な役者さんたちが揃っているのかと新鮮なおどろき。宝塚であって宝塚でない落語ミュージカルと『キラー・ルージュ』はキラキラ、ノリノリの体感5分のショー。礼真琴さんが「情熱の嵐」を歌って始まる大階段の男役群舞、西城秀樹さん、東京公演を観劇予定だったそうで直前にかなわないこととなり重ね重ね残念、天国に届いているでしょう。そこから紅さんが登場する群舞が圧巻。なんどでも観たくなります。物欲ないですが、DVDはほしいなあ。

 

「生まれ落ちたる 命ぞ宝♪

 貰ったお宝 ありがたく♪

 悩みあろうと ただ生き抜いて♪

 この世の喜び 謳歌しろ♪


 そーりゃ そりゃ そら ありがたや♪

 そーりゃ そりゃ そら ありがたや♪



 死んだとて 御霊(みたま)は残る♪

 あの世での大事は 御霊だけ♪

 醜女醜男(しこめぶおとこ)何するものぞ♪

 清い御霊が救われる♪


 そーりゃ そりゃ そら なんまいだ♪

 そーりゃ そりゃ そら なんまいだ♪」 

 
 深夜にテレビをつけていて、たまたまご覧になった方もたくさんいらっしゃるようです。宝塚の和物コメディ?すごく面白い、白い三角ずきんのキラキラな衣装つけてる、江戸時代あたりの地獄の世界の話?主演の紅ゆずるさんっていう人がすごい、ショーはかっこいい、「紅のマスカレード」が本家よりも男っぽい、大階段のダンサー達がゴージャズ、などなどのつぶやきを見かけました。嬉しいかぎり。オンタイムでまた放送してほしいなあ。一人でも多くの方にみてほしい。令和になりできるだけ穏やかな時代に・・・と願っていますが、哀しいことばっかり続いています。子どもさんがなくなるの哀しい、お父さんお母さんが亡くなるのも哀しい。なんかあんまり希望ないのかなあという気持ちがよぎったりします。そんな時はこの二本立て。心が元気になれるから、自分をもう少し信じ続けてみようって思えるから。

 
 
 先週2回の試験で擦り減った心を回復していくのには一週間ぐらいは必要な感じで、あっちこっちの引き出しを開けながら少しずつエネルギーチャージ中。すぐにまた書類を作るのは無理ですな。一週間後は3カ月ぶりの大劇場日帰りバスツアー。結果がついてきてもこなくっても無事に往復して楽しもう、いつかなんとかなっていくからね、いいんだよ、自分。
 

「どうにかこうにか生きていればいいわけじゃない」。郷里に帰ってきて退会してしまいましたが、乳幼児精神保健学会の渡辺久子先生のあったかい言葉を思い出します。こうして一日一日無事に生き延びていられることは当たり前ではなく奇跡。これだけでも十分にすごいことなんだよ、自分。