たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

『いわさきちひろ作品集7』より-「人生はバス旅行ではない」

2022年05月15日 21時46分13秒 | いわさきちひろさん



(『月刊ほるぷ』1969年8月号ほるぷ出版)

「(これから、どんなお仕事をなさるご予定ですか。)
 
 やっぱり子どもたちのために、いい絵本を描いていきたいということかしら・・・。

 集団教育がさかんになると、たとえば絵本を見て涙ぐんでしまうようなデリケートな子どもは、どうしても無視されがちで、「集団からはみ出した子」として問題児視されたりしsます。それは大変な間違いで、そういう子は集団に入らなくても、いろんなことを見て感じているのですね。松田道雄さんが、”人生は、一生バス旅行じゃあるまい、そういうデリケートな子どもは、将来、世の中を美しくするための仕事をするだろう”と、ある本に書かれていますが、私も本当にそう思います。そして、そういうデリケートな子どもは、案外多いんじゃないのでしょうか。『赤い鳥』の復刻に見られるように、よい本は必ず、長い年月を生きつづけることができるものです。自分が小さいとき読んだ絵本を、結婚するとき、生まれてくる子のために持っていく、というような、そんな絵本をつくっていきたいですね。」

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