拉致問題が起こったのは何故か!拉致問題の奥にあるものは何か!
そもそも、拉致問題が発生した背景は何か、です。それはベトナム戦争に敗北したアメリカと追随する自民党政権が日米軍事同盟の再編強化に向けて、新ガイドライン策定、スパイ防止法制定、戦後政治の総決算、日本列島浮沈空母化、四海峡封鎖、日米安保から日米同盟化、共産党排除と自衛隊の合憲化を確認した社公合意など、70年代後半から80年代の日本の軍国主義化の中で、起こっていることです。これだけ行方不明者がいるにもかかわらず、事件の解決に取り組まなかった、いや、放置泳がせてきた?自民党政権、そして88年3月共産党橋本参議院議員の質問で、ようやく北朝鮮の拉致の疑いを認めた自民党政権、このことについて、情報公開をすべきです。そうすれば、拉致問題の真実が明らかになることでしょう。
北朝鮮が起こした拉致事件は、東西冷戦のなかで、引き起こされた国家犯罪事件なのです。ソ連「脅威」論に対抗する為の「抑止力」として日米軍事同盟の再編強化の狭間で引き起こされた事件と言えます。
日朝合意、安倍・金両氏が合意したことの意味は何か!
そうした位置づけを踏まえつつ、今日まで、この東西冷戦構造が未解決のまま推移してきた朝鮮半島とその周辺の「危機」と「脅威」をどのように解決していくか、その取り組みの中で、日朝平壌宣言と6カ国協議の枠組みがつくられ、その延長線上に位置する今回の「合意」、しかも、解決済みとしていた拉致問題を、特別の委員会をつくって対応すると「合意」した北朝鮮の思惑・ネライと、対話と圧力と言いながら、実際には、圧力=経済制裁一辺倒の対応しかしてこなかったと言われているなかで、拉致被害者の帰国がままならないまま、ご家族の高齢化がすすみ、中には亡くなった方のおられる中で、拉致問題の解決をライフワークのように「公約」してきた安倍首相が、「国際公約」でもあった経済制裁解除を約束するという大きな「カケ」に出ることで、その誤りを認めることになりながらも、一歩踏み出すことで、行き詰まっていた事態を何とか打開するために、北朝鮮政府と「合意」したのです。
このことの持つ意味です。これについては、前号までに記事にしてきました。今回は、それらを踏まえて別の視点から検証してみることにします。
人道主義に反する国家犯罪である 拉致問題の意味づけを発展させる!
日本国憲法の平和主義のなかで拉致問題を意味づけるとこうなる!
1.自民党・公明党政権の対話と圧力=経済制裁路線が破綻したこと。
2.東西冷戦構造の、いわゆる旧来の軍事抑止力路線が破綻したこと。
3.北朝鮮政府は日本の経済力を引き出し利用することで、国家運営・政権の正当性・政権強化に踏み切ったこと。
4.この路線が成功すれば、新しい局面、軍事抑止力=日米軍事同盟深化路線の破綻が浮き彫りになること。
5.日本国憲法の平和主義の基づく、戦争放棄条約化と非核三原則の条約化が課題になってくること。
6.北朝鮮との平和的自主的民主的交流の発展によって、朝鮮半島に平和的統一の機運が高まるか、或いは二つの国家の平和的交流が発展するか、など、新しい可能性が生まれてくること。
7.北東アジア平和共同体の構築の方が、それぞれの国家と国民の平和と安定が保障されると言うことが経験的に判明してくるように、日本国憲法をいただく日本が、リーダーシップを発揮する。そのためにも、そのようなことを実行する政権をつくる。
8.そのためにも、北朝鮮に遺された遺骨問題の解決をとおして、朝鮮半島侵略戦争と植民地支配の反省と教訓を明らかにしながら、北東アジアにおける二千年の交流の歴史から学び、活かすための交流を発展させる。
侵略戦争の反省のうえに制定された憲法平和主義を
拉致問題に適用し二度と同じ過ちを起こさないために何をなすべきか!
以上の視点からの議論が国民的になされるならば、戦前の強制連行問題を含めて、拉致問題が、人道面からみても、人権と民主主義の面からみても、国際法からみても、問題ありか!ということが判るのではないでしょうか。二度と同じ過ちを繰り返さないためには、何をなすべきか、ハッキリしたのではないでしょうか。そうです。軍事的脅威を煽り、抑止力を強化する国家体制ではなく、歴史的に試されてきた人間の交流、人間の尊厳を活かした国家間の交流とそれを貫くことができる国家運営の構築です。それを実現するのは、一人ひとりの人間の不断の努力ということです。
以上のような意味づけを持った今回の「日朝合意」ですが、集団的自衛権行使容認を国民不在で押し切ろうとしている安倍政権と真向対決している共産党だからこそ、拉致被害者の帰国と安倍政権の暴走をストップさせることとの関係を意味づけた談話を発表すべきでした。因みに、集団的自衛権行使に反対している運動が、この日朝合意を位置づけているか、それを見れば、共産党の談話の持つ意味は、いっそう浮き彫りになると思います。
それでは、共産党が、この拉致問題に係わる発言・政策をどのように発表していたか、この一年の経過を一覧しておきます。ご覧ください。
北東アジア平和構想と拉致問題の解決の関係は不問の談話!
「北東アジア平和協力構想」を提唱/大会決議案 志位委員長が報告 [2013.11.13]
日本共産党の志位和夫委員長は12日、第26回党大会決議案のなかで「北東アジア平和協力構想」を提唱すると表明しました。決議案は、北朝鮮の核兵器問題や尖閣諸島などの紛争、歴史問題をあげ、「北東アジアに平和的環境をつくる外交努力を追求することは緊急で重要な課題」と指摘しています。その上で、つぎのような原則にたった「北東アジア平和協力構想」を提唱しました。
―武力行使の放棄や対話促進などを定めた北東アジア規模の「友好協力条約」の締結。
―北朝鮮問題に関する「6カ国協議」で核・ミサイル・拉致など諸懸案の包括的解決を図り、これを北東アジアの平和と安定の枠組みに発展させる。
―領土に関する紛争問題は冷静な外交的解決に徹し、友好的な協議・交渉を通じて解決する行動規範を結ぶ。
―日本の侵略戦争と植民地支配を反省し、歴史を偽造する逆流の台頭を許さない。
志位氏は、韓国大統領も北東アジアの平和協力にむけた構想を提起し、国際政治のうえでも現実性を持っていると強調。「『平和的安全保障』という新しい考え方に立ち、軍拡から軍縮への転換をめざし、平和の地域共同体を北東アジアでもつくりあげるために、関係諸国が力をつくす」ことを呼びかけました。(引用ここまで)
拉致問題の解決と集団的自衛権行使容認の関係は不問の談話!
憲法破壊、「海外で戦争する国」への暴走を許すな――「安保法制懇」の「報告書」について2014年05月15日
日米軍事同盟と拉致問題の関係を不問に付す談話!
日米安保条約をなくしたらどういう展望が開かれるか 全国革新懇総会 志位委員長の記念講演2012年05月12日
1.北朝鮮問題・六カ国協議関係の記事一覧
拉致問題/具体的な行動が必要/外相ら笠井氏に [2014.5.18]
抑止論は許されない/北朝鮮核実験問題で笠井氏 [2014.5.11]
集団的自衛権容認に「特別の危険」/山下書記局長が会見 [2014.3.18]
北朝鮮の人権侵害 国連、金第1書記に警告/国際司法の場で追及も [2014.2.19]
北朝鮮、張氏を処刑/あまりに異常かつ残忍/志位委員長が談話 [2013.12.14]
拉致解決 一刻も早く/衆院特委 被害者家族が要望/笠井議員質問 [2013.7.27]
衆院拉致問題特別委員会は26日、北朝鮮による拉致被害者家族からの意見陳述を受け、質疑を行いました。拉致被害者家族連絡会前代表の横田滋さんや早紀江さん、拉致の疑いがある特定失踪者家族の大澤昭一さんらが「国の課題として与野党で対応してほしい」などと述べ、すべての被害者の一刻も早い救出を求めました。早紀江さんは「(娘の)めぐみが行方不明になってから36年目に入った。何もいらない。子どもたちを帰してほしい」と訴えました。大澤さんは「10年間何の進展もない拉致問題の北朝鮮交渉の窓口をこじ開け、すべての拉致被害者を救出し家族と再会を実現してください」と求めました。日本共産党の笠井亮議員は、拉致問題の解決に向けた政府の取り組みに対しての意見や要望を質問。北朝鮮に拉致された日本人を救出する福井の会の池田欣一会長は「拉致被害国は16カ国あると聞く。16カ国の会議を熱望する」と発言。特定失踪者家族の藤田隆司さんは「政府で特定失踪者の数字、顔写真を含めた冊子を作り、拉致問題の重大さを伝えてほしい」と要望しました。同日、委員会では、すべての拉致被害者の安全確保や即時帰国のための具体的な施策拡充を求める決議を全会一意で採択。決議は北朝鮮の人権侵害を調査する国連の委員会への拉致問題解決への働きかけなど、国際的な協調の強化を求めています。(引用ここまで)
6カ国合意履行求める/北朝鮮に 米中外相が一致 [2013.7.3]
“北朝鮮は非核化を”/ARFで米・中・日・韓など [2013.7.3]
ASEAN外相会議 朝鮮半島非核化を支持/6カ国協議再開求める [2013.7.1]
6カ国協議早期再開を提唱/中韓共同声明 政治・経済で協力へ [2013.6.29]
北朝鮮非核化で一致/対話通じ解決 中韓首脳が会談 [2013.6.28]
6カ国協議再開に努力を/中朝高官会談 「緊張緩和の風出た」 [2013.6.23]
米中首脳会談/北の核兵器放棄で一致/幅広く計8時間 [2013.6.11]
朝鮮情勢の好転期待/中国副総参謀長が表明/アジア安保会議 [2013.6.3]
飯島氏の北朝鮮訪問について/市田書記局長が会見 [2013.5.21]
日本共産党の市田忠義書記局長は20日、国会内で記者会見し、飯島勲内閣官房参与の北朝鮮訪問について見解を問われ、「会談内容の詳細はまだわからないが、安倍内閣が対話の方向に動いたことは歓迎すべきだ」と述べました。このなかで市田氏は、拉致、核、ミサイルを包括的に解決するのが日本政府の方針だと伝えたと報じられていることをあげて、「飯島氏の訪朝によって日朝関係が今後どう発展するかは不透明だが、北朝鮮問題の解決には対話以外に方途はない。2002年の日朝平壌宣言、2005年の6カ国協議の共同声明が土台になる。今後の動向を注視していきたい」と表明しました。(引用ここまで)
飯島氏の北朝鮮訪問について/政治部長 藤田 健 [2013.5.20]
NHK討論/小池副委員長の発言 [2013.5.13]
北朝鮮問題 米韓で新たな流れ/緊張から「対話」探る動き [2013.4.25]
主張/朝鮮半島の緊張/いまこそ平和の努力を強めて [2013.4.17]
2.国際政治関係の中で東アジア関係の記事一覧
北朝鮮 離散家族再会を提案/韓国は歓迎を表明 [2014.1.26]
志位委員長とベトナム国家主席会談/東アジアの平和など協力強化 [2014.3.19]
北朝鮮の人権侵害 国連、金第1書記に警告/国際司法の場で追及も [2014.2.19]
在日本大韓民国民団新年会での/市田書記局長の祝辞 [2014.1.10]
日韓関係の改善・発展に全力/民団新年会 市田書記局長が祝辞 [2014.1.10]
米韓外相会談/歴史問題が和解の妨げ/韓国外相が安倍首相批判 [2014.1.9]
「東アジア不戦条約を」/インドネシア外相 各国に提唱 [2014.1.9]
北東アジア平和協力構想 緊張激化のなかで広がる共感(5)/広がる 対話を進める動き/地域の枠組みづくりへ [2014.1.7]
北東アジア平和協力構想 緊張激化のなかで広がる共感(3)/相次ぐ多国間の平和構想/協調外交が真の“抑止力” [2014.1.5]
北東アジア平和協力構想 緊張激化のなかで広がる共感 (2)/空転する「積極的平和主義」ASEAN同調せず [2014.1.4]
北東アジア平和協力構想 緊張激化のなかで広がる共感(1)/響きあう壮大な提唱 [2014.1.3]
日米中含む戦争放棄条約を/インドネシア大統領が呼びかけ [2013.12.14]
北朝鮮、張氏を処刑/あまりに異常かつ残忍/志位委員長が談話 [2013.12.14]
対話促し平和の北東アジアへ/緒方副委員長があいさつ/開会集会 [2013.11.17]
アジアの平和に向けては、党が第26回大会の決議案で提起した「北東アジアの平和協力構想」を紹介。(1)武力行使の放棄、紛争の平和解決のための対話と協力の促進などの取り決めづくり(2)6カ国協議を北東アジアの平和と安定の枠組みに(3)領土問題での外交的解決の取り決め(4)日本の侵略戦争と植民地支配の反省―の4点をあげ、これをもってアジア諸国に働きかけるイニシアチブを進めていく考えだと述べました。(引用ここまで)
日本政府は、「核の傘」から脱却し、「核兵器のない世界」にむけた積極的行動を/国連の共同声明 志位委員長が談話 [2013.10.23]
ASEANの経験を北東アジアに/志位委員長、インドネシア副外相と会談 [2013.9.29]
軍事に頼らない平和的安全保障を/志位委員長、インドネシアのASEAN大使と会談 [2013.9.28]
核兵器廃絶と東アジアの平和構築で協力確認/志位委員長、ベトナム書記長と会談/両党関係のいっそうの発展で合意 [2013.9.25]
東アジアの平和など意見交換/志位委員長がベトナム到着/25日からインドネシア訪問 [2013.9.23
ベトナム・インドネシアへ/志位委員長、22日から訪問/東アジアの平和構築など意見交換 [2013.9.17]
主張/ASEAN/前進する平和の地域共同体 [2013.7.6]
北朝鮮は非核化を”/ARFで米・中・日・韓など [2013.7.3]