集団的自衛権の行使は
「時代遅れの安全保障」「世界の潮流に逆行する」
「核の傘」ではなく「北東アジアの平和の傘構想」
これこそ「憲法9条を活かす!」そのものだ!
首相は積極的平和の言葉「盗用」
平和学の父・ガルトゥング氏
琉球新報 2015年8月23日 9:46
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-247704-storytopic-3.html
北東アジアの「平和の傘」構想を沖縄から提起することを強調するヨハン・ガルトゥング氏=22日、浦添市のてだこ大ホール
「平和学の父」として世界的に知られるヨハン・ガルトゥング氏は22日、浦添市のてだこ大ホールで開かれた「戦後70年 ガルトゥング氏が語る『積極的平和』と沖縄」(琉球新報社、新外交イニシアティブ主催)の講演で来県した。講演に先立ち、新基地建設が進む名護市辺野古を視察し「安倍首相は『積極的平和』という言葉を盗用し、私が意図した本来の意味とは正反対のことをしようとしている」と政府姿勢を批判した。講演では、国会で議論されている集団的自衛権の行使について「時代遅れの安全保障」と、世界の潮流に逆行すると断じた。その上で「北東アジアの平和の傘構想を沖縄から積極的に提起していくべきだ」と強調した。
世界の趨勢(すうせい)は軍事基地をなくしていく「新しい平和秩序」に向かっているとし、ヨーロッパ共同体(EU)や東南アジア諸国連合(ASEAN)などに遅れて北東アジアも2020年には共同体形成へ向かうと予測した。
日本、ロシア、韓国、北朝鮮、中国、台湾の6カ国による北東アジアにおいて「沖縄は地理的に非常に重要な位置にある」と指摘。尖閣諸島や竹島、北方領土の問題で日本は台湾以外とは好ましくない関係にあるとし、核の傘ではなく「平和の傘を築く必要性がある」と述べた。その上で、独立の気概をもって特別県になるなどして国際機関を誘致し、共同体の本部を置けるよう早く名乗りを上げることも提唱した。
また沖縄は米国と日本に植民地のように扱われてきたとの認識を示した。それを乗り越えるには、単に「基地反対」を叫ぶだけではなく、北東アジアの平和を積極的に提起するよう話した。周辺国の非政府組織(NGO)を沖縄に招き、問題解決に向けて協議することを提案した。
講演後、石原昌家沖縄国際大名誉教授、高里鈴代基地・軍隊を許さない行動する女たちの会共同代表、我部政明琉球大教授が登壇し、意見を交わした。約700人の聴衆が熱心に話を聞いた。(引用ここまで)
全ての関係者と対話し
対話を重ねて相手の長所を見つけ
それをベースに関係を築く努力
これこそが憲法9条を活かす!
国際紛争を解決する手段として使うのは
対話と交流=平和的手段=非軍事的手段だ!
「沖縄要に北東アジア共同体を」
平和学の第一人者ガルトゥング氏
沖縄タイムス 2015年8月23日 06:45
https://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=129750
冷戦時代に、貧困や差別など構造的暴力のない状態を「積極的平和」と定義した平和学の第一人者のヨハン・ガルトゥング博士が22日、19年ぶりに来県した。浦添市てだこホールでは「『積極的平和』と沖縄」と題した講演会(主催・新外交イニシアティブなど)を開いた。
ガルトゥング氏は欧州連合(EU)や東南アジア諸国連合(ASEAN)などを例に、日本や中国、韓国、北朝鮮、ロシア、台湾の6カ国・地域で北東アジア共同体をつくり、本部を沖縄に置くべきだと提言した。
ノルウェー出身のガルトゥング氏は1959年に世界初の平和研究機関「オスロ国際平和研究所」を創設した。世界各地の国家間、宗教間紛争調停に携わっている経験を踏まえて「全ての関係者と対話し、それぞれの理想像を聞きながら、アイデアを生み出す必要がある」と述べた。尖閣諸島や竹島の解決策として、日中や日韓の共同管理の必要性を繰り返し唱えた。
また辺野古新基地建設をめぐる沖縄と日米の対立解消について、ジンバブエが英国から独立した経緯などを紹介しながら「大きなビジョンを描くことと、小さな一歩は矛盾しない。対話を重ねて相手の長所を見つけ、それをベースに関係を築く努力が大事だ」と述べた。(引用ここまで)
「安倍式積極的平和主義」には触れないところがNHKだ!
“平和学の父” 「本当の積極的平和政策を」
NHK 8月19日 20時34分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150819/k10010195601000.html
ガルトゥングさんは東京で開かれたイベントでジャーナリストの田原総一朗さんと対談を行い、「積極的平和主義に軍事同盟は必要としない。集団的自衛権が行使されれば、日本の安全は不安定になるだろう」と指摘しました。さらにガルトゥングさんは「今後、戦争に参加することになれば、IS=イスラミックステートと対じすることになる。日本は周辺国と協力関係を高め、本当の積極的平和政策を打ち出すことが大切だ」などと述べました。
参加した会社員の男性は、「本当の『積極的平和主義』がよく理解できた。話を聞いて安全保障関連法案についても議論を尽くす必要があると思った」と話しました。(引用ここまで)
毎日新聞 2015年08月21日
http://mainichi.jp/area/okinawa/news/20150821rky00m040006000c.html
【東京】「平和学の父」として世界的に知られるヨハン・ガルトゥング氏が20日までに沖縄県民へのメッセージを寄せた。東アジアの平和構築に向け、EUのような共同体の創設を提唱し、「東アジア共同体の本部機関を沖縄に置くべきだ」と述べた。ガルトゥング氏は沖縄などで講演するため来日し、19日に都内で講演した。 安倍政権が進める安保法制が沖縄に与える影響について「日米が多くの基地を押し付けることにより、戦時に沖縄を犠牲にする。沖縄の人々は危険にさらされている」と指摘した。
安保法制について「米軍と世界のどこでもスクラムを組んで戦うことになり、さらに不安になる」と述べ、「日本が集団的自衛権を行使すれば、日本が攻撃対象になる」と警鐘を鳴らした。
ガルトゥング氏は従来の平和の概念を進めて、貧困や抑圧、差別などの「構造的暴力」がない状態を「積極的平和」と名付け提唱する。安倍晋三首相が「積極的平和主義」を唱えることには「あまりにも懸け離れている。軍拡ではなく、近隣諸国と協力関係を持ち、調和をつくり上げるべきだ」と強調した。
日本の平和運動に対し「憲法9条を安眠枕としてきた」と課題を挙げ、「安保反対と言うだけで問題は解決しない。私なら安保に触れず米軍基地を少しずつ減らす、あるいは平和政策を打ち出すだろう」と述べた。(琉球新報)(引用ここまで)
1年前に見破られている安倍式積極的平和主義の欺瞞!
安倍氏の「積極的平和主義」は二重の違憲
人民網日本語版 2014年09月26日14:02
筆者は今年初めに平和学の父であるノルウェーの学者、ガルトゥング氏と話を交わした。ガルトゥング氏は日本語が話せ、妻は日本人という正真正銘の「日本通」だ。ガルトゥング氏は私に、日本の安倍晋三首相は自身の「積極平和学」概念を盗用したと話した。日本の学者がガルトゥング氏の積極的平和学から派生させた「積極的平和主義」は安倍氏に気に入られたが、これはガルトゥング氏の考えに反するものだ。
表面的には、安倍氏のいわゆる「積極的平和主義」は人々を大変惑わすものだが、詳しく調べてみると二重の意味で違憲だ。第1に日本国憲法に違反し、第2に国連憲章に違反する。
戦後、日本国憲法第9条は日本が交戦権を放棄し、軍隊を保持しない平和主義国家となることを定めた。このため憲法そのものが「平和憲法」と呼ばれた。後に自衛隊が創設されたとはいえ、その機能は長年「専守防衛」に限定されており、集団的自衛権も行使できなかった。「積極的平和主義」は平和の名の下に軍事力を表に出す企てであり、平和主義ではなく、好戦主義だ。
国連憲章は、世界の平和と安全を守るうえでの安保理の権威を強調し、軍事的手段を含むあらゆる必要な措置を用いて世界の平和と安全を守る権限は安保理のみにあると定めている。また、全ての非軍事的手段が無効であると証明された時に初めて武力に訴えることができると強調している。国連憲章第5章、第6章、第7章には、これらの原則について詳しい記述がある。
一方、「積極的平和主義」は米国の必要に応じて日本が自ら判断し、武力的手段を含む選択を講じて自らの目標を達成する面が大きく、これは国連憲章の精神に明らかに違反する。
国際社会の目に曇りはない。金銭外交であれ、「積極的平和主義」であれ、一時的には惑わせても、ずっと惑わすことはできない。日本が常任理事国入りするには、大きなアキレス腱が3つある。
第1に、誤った歴史観。日本は侵略の歴史を直視できないだけでなく、侵略の歴史の確定評価と戦後国際秩序を覆すことを企てている。国連の適任な加盟国にすらなれないのに、安保理常任理事国入りなど問題外だ。
第2に、米国の同盟国であること。周知のように、日本の外交と安全保障は米国に束縛されており、決して独立したものではない。安保理常任理事国入りは米国と西側の発言力を強化するだけだ。いわゆる「積極的平和主義」は、米国の要求に応じる積極姿勢の面が大きく、世界の平和と発展に真に積極的に貢献するものでは決してない。
第3に、やっかいな位置づけ。安保理常任理事国は自国を代表するだけでなく、世界のある面を代表するものだ。例えば中国は安保理で発展途上国の権益を代弁している。日本は誰を代表するのか?先進国を代表するのか?先進国は議席の5分の3を占めている。アジアを代表するのか?世界の主要経済国を代表するのか?それとも他のものを代表するのか?地域のバランスから言っても、人口から言っても、日本に十分な代表性はなく、安保理常任理事国入りを目指すことで自らの狭隘な動機を覆い隠すことはできない。
日本はこの3大アキレス腱を直視できない。従って、どのような旗印を掲げようとも、安保理常任理事国入りは行き詰まる。日本は安保理常任理事国入りにあれこれ知恵を絞るよりも、徹底的に反省し、まず国際社会の信頼される適任な一員になった方がよい。(編集NA) 「人民網日本語版」2014年9月26日(引用ここまで)