マイミクさんに教えてもらった動画、「円周率」の曲をちょっとお聞きください。→Digits of Pi
←聞く人をどこに向かって案内するか。
これ、3.1415926535…の数字「0~9」をただ音階に読み替えて並べた旋律、ではあるんですけど、なんでかするっと聞けちゃってなんでかなーって思いません??
円周率は「偶然」というわけではなくてある意味必然ですが、人間様にとって次の数字(この場合、音の高さ)に規則性というものは別になくって、乱数の代わりに使ってもいいぐらいのしろものです。いってみれば「でたらめ」。人間にとってたぶん、全部まるっとわかってしまって予想通り、というものも、まったく意味不明で予想のしようがない、というのも両方つまらないものなんです。間のどこかにちょうどいいあたりがあるはずですよね。
私が大学生だったとき、ふつうでいう卒研を個人でやるほかに、グループでやる卒研があったんですが、そのテーマが「『意外』の研究」というオムニバスものでした。私は将棋を題材にして、意外な一手が勝負の流れにどう影響するかとかやったんですが、音楽を題材にした人が二人いました。
一人は線形予測(A)、もう一人(=よしぞう)はニューラルネットを使ってましたが、とにかく、次の音を予測させてそれがすんごいハズれるやつを「意外音」としてその発生頻度や傾向を調べるわけ。どっちの予測も、それから外れる音は人間にとってもいかにも、という感じでわりと納得できる結果が出てました。
(A)で予測がつかなくなるところ:
・音の跳躍 飛ぶ幅が大きいとき
・音の急激な動き 音が速く動くとき
・繰り返しの中止
これによると、バロックから現代音楽に向かう途中で「意外」の量がどどっと増えてきて、それで最後にちょっと揺り戻しが来るんですよ(笑)
(B)で予測がつかなくなるところ:
・音の跳躍
・フレーズの切り替わり
・変化の方向がそれまでと変わる
・学習データになかった傾向のフレーズ
ニューラルネットによる予測は、学習データと、新たに聞く曲のギャップにものすごく左右されるんで、たとえば東京の民謡に慣らしといて沖縄民謡を聞かせるとわけわからなくなります。
人間としては、あんまり耳タコくらい聞いたものも新鮮味がなくて嫌だし、あまりに馴染みがないものも楽しめませんよね。そんな感じ。
えーとまぁ、何がいいたいかというと、円周率を音楽にしたものは、どこからどうやっても(円周率をまじめに計算する以外には)予測がつかないはずなんだけど、どうしてこれが音楽に聞こえちゃう、それもなかなか心地よく聞こえちゃうのかということ。
もしこの円周率の演奏を、まったく機械任せにして「伴奏なし」「一定のテンポで再生」としたら、さすがに曲には聞こえないと思うんです。
そこに人間が介在して、強力な解釈を加え、コード進行? をつけて、それにつじつまが合うような音を強調してフレーズを作ると、こんなふうに。予測なんかできるはずないのに、なんか人間の手中におさまった感じになっちゃって、説得されてしまう。まぁ、演奏者のセンスがものをいうわけですけど(私にはできません)、結局、どう理解して演奏しているか、というのが音楽なんだなぁと思った次第です。
内藤先生の公開レッスンのとき、いちばん印象に残ったのが、「聞く人をどこに連れて行くのか」しっかりビジョンを持って進めていけという(表現はちょっと違ったけど)アドバイスでした。大筋については、がっちりと説得力を持ってご案内。そして、ちょっとした意外性をプラス(^^;;
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「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと~アンダンテのだんだんと中受日記完結編」ダイヤモンド社 ←またろうがイラストを描いた本(^^)
「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社
(今回もイラストはまたろう)
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これ、3.1415926535…の数字「0~9」をただ音階に読み替えて並べた旋律、ではあるんですけど、なんでかするっと聞けちゃってなんでかなーって思いません??
円周率は「偶然」というわけではなくてある意味必然ですが、人間様にとって次の数字(この場合、音の高さ)に規則性というものは別になくって、乱数の代わりに使ってもいいぐらいのしろものです。いってみれば「でたらめ」。人間にとってたぶん、全部まるっとわかってしまって予想通り、というものも、まったく意味不明で予想のしようがない、というのも両方つまらないものなんです。間のどこかにちょうどいいあたりがあるはずですよね。
私が大学生だったとき、ふつうでいう卒研を個人でやるほかに、グループでやる卒研があったんですが、そのテーマが「『意外』の研究」というオムニバスものでした。私は将棋を題材にして、意外な一手が勝負の流れにどう影響するかとかやったんですが、音楽を題材にした人が二人いました。
一人は線形予測(A)、もう一人(=よしぞう)はニューラルネットを使ってましたが、とにかく、次の音を予測させてそれがすんごいハズれるやつを「意外音」としてその発生頻度や傾向を調べるわけ。どっちの予測も、それから外れる音は人間にとってもいかにも、という感じでわりと納得できる結果が出てました。
(A)で予測がつかなくなるところ:
・音の跳躍 飛ぶ幅が大きいとき
・音の急激な動き 音が速く動くとき
・繰り返しの中止
これによると、バロックから現代音楽に向かう途中で「意外」の量がどどっと増えてきて、それで最後にちょっと揺り戻しが来るんですよ(笑)
(B)で予測がつかなくなるところ:
・音の跳躍
・フレーズの切り替わり
・変化の方向がそれまでと変わる
・学習データになかった傾向のフレーズ
ニューラルネットによる予測は、学習データと、新たに聞く曲のギャップにものすごく左右されるんで、たとえば東京の民謡に慣らしといて沖縄民謡を聞かせるとわけわからなくなります。
人間としては、あんまり耳タコくらい聞いたものも新鮮味がなくて嫌だし、あまりに馴染みがないものも楽しめませんよね。そんな感じ。
えーとまぁ、何がいいたいかというと、円周率を音楽にしたものは、どこからどうやっても(円周率をまじめに計算する以外には)予測がつかないはずなんだけど、どうしてこれが音楽に聞こえちゃう、それもなかなか心地よく聞こえちゃうのかということ。
もしこの円周率の演奏を、まったく機械任せにして「伴奏なし」「一定のテンポで再生」としたら、さすがに曲には聞こえないと思うんです。
そこに人間が介在して、強力な解釈を加え、コード進行? をつけて、それにつじつまが合うような音を強調してフレーズを作ると、こんなふうに。予測なんかできるはずないのに、なんか人間の手中におさまった感じになっちゃって、説得されてしまう。まぁ、演奏者のセンスがものをいうわけですけど(私にはできません)、結局、どう理解して演奏しているか、というのが音楽なんだなぁと思った次第です。
内藤先生の公開レッスンのとき、いちばん印象に残ったのが、「聞く人をどこに連れて行くのか」しっかりビジョンを持って進めていけという(表現はちょっと違ったけど)アドバイスでした。大筋については、がっちりと説得力を持ってご案内。そして、ちょっとした意外性をプラス(^^;;
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(今回もイラストはまたろう)