アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

「弾けるわけアルカン」オンパレードの中で

2015年11月06日 | ピアノ
行って来ました、森下唯のオールアルカン。こんなマニアックなプログラムじゃ客席ガラガラじゃないの~?? と心配して行きましたが、ほぼ埋まってました(^^;; よかった

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物好きが多いわね(←おまゆう)

ここんとこ、いろいろアルカン曲を聞いたと思ってましたが、昨日のプログラムにある曲はどれも聞いたことがありませんでした。音楽を聞くときって、まったく馴染みがないものも楽しみにくく、聞き飽きたものも楽しみづらく、ほどよいところが有利とすればかなりアウェイな感じですが、しかしどれも引き込まれて一気に聞いてしまいました。とても短く感じられました。

音数が多すぎる緊張感みたいなものに満ちているからというのもあるかもしれません。いつも思うことですが「弾けるわけアルカン」のオンパレードです。楽譜真っ黒系。

どんだけ音が多くなってもいつも正確無比でクリアな弾きっぷりのピアニート…いや森下氏ですが、昨日はなんだか一曲目不調なようで、(曲を知らない)私が聞いてもはっきりわかる音の抜けやミスタッチがけっこうありました。というかなんか全体にボケてて解像度が低い。あれれ、大丈夫かな?? と不安になったら…

二曲目からはいつもの森下氏で、それからもどんどん調子を上げていき、最後の交響曲はとりわけ圧巻でした。

曲によって雰囲気はいろいろで、対位法的なものがあったり(「ジーグと古い形式によるバレエの音楽」)、ショパンのノクターンみたいなのがあったり(「夜想曲第一番」)ですが、ショパンなら決してやらないであろう状景描写的なもの(「軍隊風奇想曲」)もあるところがアルカンです。

軍隊風奇想曲の中では、明らかに馬、明らかに太鼓など具体的なものが出てくるほか、勇壮さ、禍々しさや、あるいは宗教的だったりと戦争のいろいろな面が盛り込まれている(らしい)。こういうのは好みが分かれそうだけれども。アルカンは別にネタや皮肉というよりは大真面目なのかな?? とも思えます。こういう曲作り?を引き継いで現代の「ガンバスター幻想曲」になると思えば納得か。

いずれにせよ、夜想曲を除けばとにかく音が多すぎなのがアルカン曲。

シューベルトさんには、そこまで長くしなくても…もうちょっと短く同じこと言えなかったの? といいたくなりますし
アルカンさんには、そこまで音数多くしなくても…もうちょっと少なくして同じこと言えなかったの? といいたくなります。

特に、「ソナチネ」。ソナチネというからには大人再開ピアノ組にも手が付けられる程度の曲を書いてほしいものだけど、ぜんぜんまったくそういうのじゃないです(-_-;; 「誰得」な難しさ。

『これ、弾ける人いるの?』って聞きました。
『はい、僕が弾きます』(驚!)
(田中公平のブログより、ピアニートがガンバスター幻想曲の楽譜を田中公平に見せた場面)

って感じ。森下唯氏のような弾き手を得て初めて意味がある曲で。

英ポロを弾きたいかどうかという話がありましたが、私の場合、生まれ変わってピアノがめちゃ上手になったとして(笑)それなら弾きたい曲というのと、どうでもいい曲というのがあって、ショパンの舟歌やバラ4なら弾きたいけど、別に英ポロとかリストの超絶技巧は弾かなくてもいいやというのと同様、アルカンのこのあたりの曲も、わざわざ弾きたいとは思わないんじゃないかって(いや、生まれ変わってないんで確信は持てないですけど)。

同様に、アルカンのこのあたりの曲も、自分に十分な技量があったら弾いてみたいという発想は浮かびません。聞くのはいいとして。

でも、プログラムの最後にきて交響曲…の、4楽章分に相当するのですが、これは「すべての短調による12の練習曲」の中の4~7です。これは森下氏が学部時代に初めて舞台に乗せたアルカン曲だそうですが、きっとすごく思い入れのある曲なんですね。曲がいいのか演奏がいいのかとにかく素晴らしかったです。すべてが噛み合っていて、確かに交響曲(オーケストラによる)の響き。

無駄に音が多いという印象ではなく、音が多いことでこの効果が出ている、必然と思えるものでした。


会場でCD(「アルカン ピアノ・コレクション1≪交響曲≫」)を購入して、電車の中で聞きながら帰りました。なんでそんなことができたかというと、私は通勤に携帯用DVDプレーヤー(主にERを観る用)を持ち歩いているからなのですが。

森下氏はニコニコ動画でデビュー(?)したし、何しろ何度聞いてもアラが出ないクリアカットな演奏が特徴ですから録音向きな演奏家なのかなという印象もありましたが、生で聞くとこれがまた断然、魅力的なんです。すごく誠実に考えているというか、ハートが直に伝わってくる感じです。ハートといっても頭のいいハート。いや何をいってるんだか意味不明ですが。

CDの「推薦のことば」の表現を借りれば「彼の演奏は「生きる歓び」にあふれ、聴く方にも歓びを与えてくれますが、私がもっとも感心するのは彼の真摯な音楽的思考です。」うん。まぁ、そういうこと。

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