アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

コンクールに向かう理由

2015年11月12日 | ピアノ
小林愛実さんのショパンコンクールを追った「情熱大陸」を見た。小林愛実さんがショパンコンクールに参戦すると聞いて最初に思ったのは、えー今更コンクールなの?? ということだったが…

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そもそも、プロの演奏家としてやっていけるということがどういうことかというと、
演奏会を開けば、チケットを買ってきてくれるお客さんがいる。継続的に。

ということに尽きるだろう。

そのためには、一度来てくれたお客さんが、
「よかったー。また来よう」
って思ってくれることが大事で、それには

演奏が素敵なこと(←もちろん)
人となりにも魅力があること
プログラムや会場の雰囲気など総合して、快適空間であること

とかが必要だ。

でも、それだけじゃない。

初めてその人のコンサートに足を運ぶお客さんは、何を目当てに来るのか…

要するに、演奏家としてのデビューはどうするのか?? ということ。

私のブログで、長期に渡り一番人気の記事は「対照的なバイオリニスト-諏訪内晶子と五嶋みどり」なんだけど、この二人はデビューのきっかけも対照的だ。

諏訪内晶子はコンクール路線、
五嶋みどりは神童路線?

五嶋みどりはコンクールなしにデビューして、演奏そのものでキャリアを築いてきた。

なんとか音大卒とか、なんとかコンクール入賞とか、別にそういう資格職じゃないからね。プロの演奏家。

その人の演奏を聞きたいって人がたくさんになったら、もうコンクールなんていらないよね?

そう考えると、小林愛実さんはもう神童路線で…いや、コンクール実績も売るほどあるけど、とにかくもう大舞台での演奏をして多くの人に聞いてもらえるポジションを掴んでいたんだから、あとはその演奏の魅力だけでやっていけるわけだ。

もちろん自動的に演奏家としての人生が開けているわけではなくて、研鑽を積んで大人としての演奏を磨いていかなくてはいけないだろうけど、別に今更「箔」とかが必要なわけじゃないよね。

というのが疑問だったのだけれど。

ショパンコンクールは前々からの目標かなんかでストレートにそこに向かってきたのかと思ったら、三年前だかにコンクールで三位になるという「初めての挫折(!)」のあと、立ち直ろうとする流れでショパコンだったのですね。びっくり。

もうピアノをやめるかも、くらいに本人的には悩んでいて、でもショパンがあったから続けて来れた、というような、前進する支え。
結果としては思うように行かなかったのだろうけど、悩みは少しは晴れたのかしら。

ピアノ演奏なんて絶対的な一本の物差しというものはないのだから、
そして物差しなんか関係ないほど世界の中でただ一人、小林愛実がぶっちぎりのレベルにあるということはいくらなんでもないのだから、
コンクールで一位を取りつづけないと挫折なんだったらそりゃ、
挫折することは必然だ。

「絶対落ちないような演奏をしないといけないの。絶対落とせないような演奏をすれば落とせないでしょ?」
と愛実さんはいっていたけれど。

そんなものはないし、いらないよね??
ファンがいればいいのであって、全世界に賛成してもらう必要はないもの。それがプロの演奏家だと、思うんだけどねぇ。

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コメント (4)
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