アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

大人のピアノレッスン、子どもと違うところ

2016年03月23日 | ピアノ
アルカン曲選びでピティナのページ(の、森下氏エッセイ)を見ていたら、偶然目に入ったのがコレ:
「三上香子『成人のピアノ学習者と指導者の意識のずれに関する調査報告』」

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特に指導者に対する聞き取り調査はあまり十分な量とはいえず研究としてはどうかと思うけれど、それでも「あるある」と思える特徴はある程度あぶりだされているように思う。そもそも、大人レッスンについての調査をしようと思って話を聞いてるのに「しかし、大部分の時間は子どもを中心にしたピアノ指導の話題であり、成人の指導について話された時間はわずかだった。筆者が数回にわたり、成人のピアノ指導について話し合ってもらえるよう促したが、話の流れは大きく変わることはなかった。」とあるように、そもそも大人のレッスンについては関心が薄いというかね…

大人になって、初めての、あるいは長いブランクを経てあらためてピアノを習いたいという側が求めるものというのは、もちろん人それぞれだろうけれども、圧倒的に
「好きな曲が弾ける喜び」
であって、あとはストレス解消、課題をこなす楽しさ、仲間づくりなどぱらぱらと。

私自身のことをいえば、「好きな曲が弾ける喜び」…もちろんコレだけれど、もうちょっと詳しくいえば、自分でとりあえず音符を並べていてもある程度弾けないことはないけれど、それであえてレッスンに持っていって習いたいと思うのは、「もっと楽しく弾けるヒント」がもらえると思うからです。

どう弾くともっと素敵に弾けるかとか、あるいは自力では譜面から読み取り損ねていることを教えてもらったり、場合によっては時代背景や作家の体験など、「うんちく」だってプラスの楽しみのヒントですよね。

だから、先生に望むことは、背景知識を含めたピアノの技術であることはもちろん、楽しめるレッスンが成立するだけのお人柄(相性)。それと、現実的にレッスンに通えるような地理的条件とかレッスン日時とかの問題は当然あります。

そんなこんなで、大人のレッスンのニーズというのが子どもとどう違うかというと、
・レッスンを受ける人自身がスポンサーである。レッスンを受ける本人が望むレッスンをしてくれる先生を選ぼうとする。
・レッスン枠の取り方が柔軟であることを望む。毎週同じ曜日の同じ時間にコンスタントに通えるという大人はそんなにいない。
・レッスンとレッスンの間隔は、長くても大丈夫(その間、自分で練習できるから/そもそもそんなにたくさん練習できないから-笑)
・決まったカリキュラムに沿うのではなくて、自分の弾きたい曲を見てもらいたい(人が多い)。
・これまでの人生の紆余曲折があるので、ピアノ関連の技量は凸凹である(得意不得意があり、うまい下手の一本のものさしには乗らない)。
・子どもより長い目で続けられる。子どもは受験や部活や、本人が嫌になったりとか、親がやめさせたりとか、いろんなきっかけで途切れてしまうけれど、わざわざ習おうとする大人は何十年経ってもやっぱりピアノを弾くので、息が長い。

まぁこんな感じかな。わがままで凸凹で、ある意味扱いにくい生徒ではあるけれど、先生と生徒のスケジュールをすり合わせて合うところにスポットでレッスンを入れればよいところは見方によってはメリットでもあるし、なにより本人がやる気であって、長続きもするというところはいい生徒なんじゃないかな(と自分でいってみる)

でも、このレポートによれば、
・そもそも大人をピアノ指導の念頭においていなかった。
(どう指導したらいいかわからない)
・(子どもと大人の指導は違うという意見に対して)大人も子どもも同じ。
・「学習者から弾きたい曲のリクエストがあった場合も、1段譜で指導する」など、指導者が学習者の学習目標を決定し、教材の選択から手順・評価に至るまで指導者主導で行う
という先生もいる。
(あと、生徒が大人かつ男性の場合は自宅教室では受け入れられにくいというシビアな現実も見て取れる。)

わりと、大人の生徒の受け入れに関しては無関心もしくは否定的な人が多いのかなという印象だけれども。

全体からすればそうなのかもしれない。でも、一定数、大人の求めるもの(と、現状持っている凸凹なスキル)に合わせて柔軟にレッスンをしてくれる人も存在して、ネットなどを介してそういう人と出会うことも可能なので、やや遠くまで行くことをいとわなければ「大人ピアノ」を続けやすいいい時代だと思います。

それまでに「大人のピアノレッスン」の経験がない先生であっても、とりあえずマイナスの気持ちでなく見てくれる先生を見つけることができれば、習いながらだんだん要望を伝えていき、先生にも大人ピアノレッスンの醍醐味(←ってなんだろう、おしゃべりがおもしろいとか先生側にも何らかの発見があること?)をわかってもらうという手もある。そうやって大人ピアノレッスン可の先生が増えていけば到来する少子高齢化社会へもばっちり対応できるね(笑)

(レポートの末尾には、「アンドラゴジー」という耳慣れない言葉が入ったタイトルの論文PDFがリンクされている。これについては後日)

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