アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

ワルター・クリーンの呪縛と似てるかも

2017年09月22日 | ピアノ
昨日見学させてもらったレッスンは、ほんとに貴重なもので(公開レッスンというより、プライベートなレッスンにたまたま立ち会わせてもらった)、非常にいろいろな示唆に富み、興味深かったんだけれど、さて何か参考になるかっていうとね…

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私は、レッスンの途中からあることを思い出してたの。

それは…
ワルター・クリーンの「ピアノでモーツァルトを」の呪縛。

この話は、前に書いたことがあるんだけど、ずいぶん昔の、スーパーピアノレッスンみたいな番組で、ウィーンらへんに留学してる人が生徒なのね。
だからものすごく達者に立派に弾けてるんだけど、それがもうどんどんダメ出しされていく。
ゴツゴツとか、
デコボコとか、
余計な強弱、
余計なアクセント、
余計な緩急、

楽譜に(少なくとも直接は)書かれていないあんなことそんなこと。
ワルター・クリーンさんの弾くモーツァルトはというと、そういうものがなんにもなくてまさに「クリーン」。
そして、すらーっと流れていくんだけどそれでいて平板なわけではもちろんなくて、イキイキしていて美しくて、表情豊かなの。

力みや飾りを取り去っていって、
シンプルに残っている自然な音楽。

それはもう、素晴らしいんだけど、それに、たぶん超一流ってのはそういうものなんだろうけど
(だから、その生徒さんたちのレベルであれば適切なレッスンなんでしょうね?)

画面のこちら側、そもそもフツーの意味で弾けてない人としては、そのスーパーなピアノレッスンを単純に真に受けちゃうと、
何一つ曇りやゆがみのない、パーフェクトなモーツァルトを弾かなければいけないような気がして、その結果、
まぁせいぜいが、なんにもしない、なんにも魅力も表現もない、平板なモーツァルトを弾くことになるか…
あるいは、いやそんなクリアなモーツァルトはそもそも弾けないから無理。といって挫折する。

そんなこんなで、モーツァルトなんて弾けやしない、特に人前では、ってな状態が続いていたわけです。
(アラフィフになって、十分ツラの皮が厚くなるまで。)

バイオリンでも同じことで、レベルが違いすぎる禅問答レッスンを字面どおり真に受けても、ほんとしょうがない。

そもそも、無駄な力みもなにも、まずはきちんと楽器を保持して正しいポジション移動してしかるべき音程が出せてないんだから話はまずそっち。
too muchであろうがありがちであろうが、まずは音楽の流れに沿った常識的な表情の付け方もできてないんだから話はまずそっち。

もしも私が昨日のレッスンの中で「言葉で語られていた内容」をそのとおり取り入れようとしたら、余計下手になるか、あるいはバイオリンが弾けなくなるでしょう。

そんなことはしないし、そもそもできないので心配ありませんが。

ただ、自分のバイオリンとは差し当たって関係ないとはいえ、音楽する気持ちの中にはほんのちょびっと余韻が残ったと思います。それだけでもほんとうにお得なことです。

特に、バイオリンを弾く人がピアノの伴奏を「取り込んで」演奏を豊かに、説得力を持たせていく様子というのはものすごく感動しました。
バイオリンという楽器は、ピアノに比べて音数も少ないですし、音量の差もつけにくい。
(無理に大きな音を出そうとすると、音色が荒れます)

そこを、ピアノの伴奏に助けてもらうわけですけど、そしてそれは素人のバイオリンであっても伴奏にある程度盛り立ててもらってるんですけど…
ある程度「合って」いれば。

私がピアノの伴奏をする、あるいは私がバイオリンを弾いてピアノの伴奏をしてもらうというレベルの「合い方」であってもそのコラボはちゃんと意味ある程度には効きます。
でももっとその先があるんだな。ということがなんとなくわかりました。
具体的にどうすればいいのか、ということについては
「脳波をつなげて~」
とか言われてもわけわかりませんが(^^;;
お互いに聞いているということ、
寸分の狂いなくハマるべきタイミングにハマっているということ、
相手のやってることが音楽の流れの中でどういう役割を持っているかをきちんと理解して自分の音を鳴らしていること、

というようななんやかやが必要なのかもしれません。(これらは、私の想像であって、昨日のレッスンで説明されたわけではないですが)

なんでそういう想像をしたのかといえば…自分がやったアンサンブルの中でも、ときどきそういう奇跡は起きたと思うからです。でもときどきです。テクがないから。


そんな状況で、すごい世界をチラ見させてもらったのは、ありがたいことです。


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