アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

西洋音楽史(11) 古典派からロマン派へ: 鍵盤音楽を中心に

2021年07月01日 | ピアノ
ウィーン式ピアノとイギリス式ピアノの違いって、皆さんご存知ですか?

    にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ←これから先のピアノって何か変化あるのかな

西洋音楽史の第11回の授業はこの話から始まったのですが、もうね、この辺の話になると、「もぅ~説明で聞いてるのはかったるい!! 弾かせて~」って気持ちでいっぱいです。

そういえば、西原稔氏(ぴあのピアの監修やってた人)の話を聞きに行ったとき、ピアノの発展とベトソナ32曲の話だったんだけど、西原氏の同僚の先生は「各時代のピアノを置いておきたくて、自宅に7台並べている」って言ってたなぁ(あくまで、自分はそこまでのマニアじゃないといいたいらしい)。いろんな個性のピアノから、いろんなことを学べると考えると、そうやって各時代のピアノを置いておけるって最高だよね。私も、大金持ちになったらやるんだけどな~(まずは家の引っ越しから)

ベートーヴェンのピアノソナタは、若いころから晩年まで書き続けて32曲、それぞれ、そのときに使っていたピアノの特徴が反映されているので、まさにピアノの歴史と共にあるようなシリーズ。

ウィーン式のピアノ(ハンマーは手前側)を使っていたのが20番まで。
まだ今のピアノより音域がだいぶ狭く(5オクターブ)、音は軽くて繊細で、優雅な響き。音の減衰も現代ピアノよりだいぶ速いから、そのペダル全体に「踏みっぱなし」指示をされているところで、そのまんま現代ピアノで踏みっぱなししたらぐわんぐわんになるとか、いろんなギャップがある。タッチもすごく軽かったので、同じ感じを現代ピアノで再現しようとしたらそりゃ超絶技巧ですよね。ベートーヴェンの初期ソナタって、ふつうはそんなに「超絶技巧」扱いされていないけれど、私は軒並み弾けません(o_o) うまく弾くとすごくロックで、かっこいいです。

イギリス式(ハンマーは奥側、現代ピアノと同じ)の楽器作りをしたエラールからピアノをもらって、21番から27番まで。
音域は、高音方面へ広がって5オクターブ半。タッチは深くて重くて、低音の重厚な響きが特徴…ヴァルトシュタインや熱情は、このピアノから着想を得て作られたのですね。スケールが大きくて派手。(で、これはこれで弾けないんだけども。え、どれなら弾けるのかって…)

エラールのピアノの重さは気に入らなくて、友人(シュトライヒャー夫妻)に何度も改造を依頼したんだけれども、うまくいかなかったんだって。まぁ、シュトライヒャー夫妻はイギリス式ピアノを作っていた人ではないし…無理があったんでしょうね。逆に、ウィーン式ピアノの改良ということでベートーヴェンが夫妻にアドバイスをしたとか、そういうほうが実りがあったようです。

28番から32番まで、いわゆる「後期ソナタ」の時代には、イギリス式、ウィーン式の両方で音域が広がって、6オクターブが標準、それ以上もあるようになりました。大規模ソナタの極み、29番を作っている最中にブロードウッドのピアノ(イギリス式)をもらったりして、ウィーン式とイギリス式の両方の特徴的書法が混じっています。単純に音域のことだけいっても、高音側に広いウィーン式と低音側に広いイギリス式、両方がなくては弾けなかったのでは? などと言われていますが、ベートーヴェンはどういうつもりで書いたのでしょう。

もちろん、現代ピアノならそのすべての音域を一台のピアノでカバーしています。じゃ、現代ピアノにできないことはないのかというとそうでもなくて、una corda/due cordaの弾き分けとか今はないですね。

あと、ベトソナでは使わないかもしれないけれど、ウィーン式ピアノについてたいろんなギミック…といっちゃアレですけどペダルがいっぱいあって、「ファゴット」の音とか「打楽器」の音とか出せるのが楽しいです。でもツェルニーさんやフンメルさんには「子供騙し」「価値のないもの」と言われて結局廃れました。

かてぃんみたいにピアノ+鍵ハモとか、ピアノ+カホンとかやれば自力で足せますね(^^;;

(ピアノの歴史については、放送大学テキストよりも「すぐわかる!4コマピアノ音楽史  ピアノの誕生~古典派編」が読みやすくわかりやすいです)


---- 今日の録音:
リスト/愛の夢第三番

にほんブログ村 ピアノ  ←ぽちっと応援お願いします
にほんブログ村 ヴァイオリン ←こちらでも
にほんブログ村 その他日記ブログ 50代女性日記 ←こちらも参加しています


「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと~アンダンテのだんだんと中受日記完結編」ダイヤモンド社 ←またろうがイラストを描いた本(^^)


「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする