ショパコンつながりで「ショパンに愛されたピアニスト-ダン・タイ・ソン物語」を読み返していました。
←変化は急に、かつ、持続的に。
ダン・タイ・ソンはショパコン優勝後、すぐプロとして活動するのではなくて、モスクワ音楽院の上級クラスに進むことを選びました。先生はドミトリー・バシュキーロフ。
そのころのソンの弾き方は、身体の動きが大きくて前かがみ、覆いかぶさるような感じだったそうですが、その先生のアドバイスは
「腕と背筋を伸ばして姿勢をまっすぐに保ってみたらどうだろう。腕と指に余分な力を入れずに。そうすると手も指も自由に動くだろう。そして、からだもむやみに動かさないように。どうだい? その姿勢をマスターすることはできるかい?」
いやー、ショパコン優勝した人に、「そこから?」って感じなのですが、ソンはそれを素直に受け止めて頑張って改善を試み、でもすぐには直らないしそればかり気にしてると演奏に集中できないし…
「何日も何日も格闘が続いた(…略…)そして、音そのものが急に変わったことに気づいた。力強く、スケールの大きな音楽が生まれた」
…え。何日も何日も、っていうけど、「日」の単位くらいで弾き方がドラスティックに変えられたらそりゃすごいとしかいいようがないですけども。
ピアノの弾き方って、よほどの初心者でなければ、長年かけて染みついてきたものだし、なかなか変えるというのは難しいですよね。
ダン・タイ・ソンが、そんなレベル(ショパコン優勝)まで到達したあとに、そんな短期間で(たぶん)ガラリと弾き方を変えられたのは、まぁ天才だからといってしまうと話が終わってしまいますが、耳がよくて、もう欲しい音のイメージはしっかり持っていたということなんでしょうか。
とはいえ、弾き方の変革ということになりますと、練習の積み重ねに応じてじわじわ直線的に良くなっていく、という性質のものでもないと思うので、変わるときは突然、なのかもしれません。
突然低レベルな話で申し訳ないですが、ヤマハ教室で大人ピアノ再開してすぐの発表会のビデオを見ると、今と弾き方が違うのは明らかです。どういうふうに変わってきたかというと、何かふと気が付いたことがあって変わり、またしばらくして突然変わりというように、階段状(連続的でない)変化があったように思います。ステップの幅は、大きめだったり小さめだったり…時にちょっと下がってしまったり…と、いろいろですが。
昨日、30分弾いていても、手は特に疲れたりしないし、すごく楽な感じがします。10年前とは違いますし、しばらく前ともやっぱり違う気はします。
音色も、前よりはきれいに響くようになったと思うのですが、実はそれって「大きな音を出さない範囲で弾いている」というところもあって、なにしろアルカンのバルカローレとかスカルラッティだったら、どっすんバリバリ派手なフォルテッシモとかいらないですからね。今回の30分のプログラムも、「どっすん」なところが何もない構成で、強いて言えば一番大きくなるのが「愛の夢」中間部です。
昨日、レッスン中に、そこのところをartomr先生が弾いてみせてくれて、真似をしたりとかしているときに、つられてというかなんというか、ふだんの自分より大きな音が出ました。詰まった音とか、叩いた音じゃなくて、伸び伸びした響きのフォルテだったので、あ、なんだか今の感触でいけば、もっと大きな音を出しても大丈夫イケル(汚くならずに)かもしれないと思いました。階段の先がチラと見えた瞬間です。
ところで、ダン・タイ・ソンがショパコン優勝ののちに弾き方大改造をした話ですが、まだ先があって、プロとして仕事をするようになってから、ニキータ・マガロフからアドバイスをもらったのが、
「少しピアノを弾く動作を変えてみたらどうだろうか。無駄な動きをなくしてみたら」
バシュキーロフとまったく同じことをいっているようだが、その大改造の後なので、またその先の話ということになる。
ソンはまだ少し体を動かし、指を高く上げて弾いていたのだけど「もっと自然な動きがいい」。細かい音符をひとつひとつジャンプしていくのではなくて、ひとつの流れとして弾くほうが効率よく、早く弾くことができて、しかも疲れないと。それから、指は常に鍵盤に触れていること。飛び回っていると、コントロールが難しくなるから。
そしてまたソンの演奏動作が変化して、レパートリーに大曲を加えられるようになっていったそうだ。すごいね…
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ダン・タイ・ソンはショパコン優勝後、すぐプロとして活動するのではなくて、モスクワ音楽院の上級クラスに進むことを選びました。先生はドミトリー・バシュキーロフ。
そのころのソンの弾き方は、身体の動きが大きくて前かがみ、覆いかぶさるような感じだったそうですが、その先生のアドバイスは
「腕と背筋を伸ばして姿勢をまっすぐに保ってみたらどうだろう。腕と指に余分な力を入れずに。そうすると手も指も自由に動くだろう。そして、からだもむやみに動かさないように。どうだい? その姿勢をマスターすることはできるかい?」
いやー、ショパコン優勝した人に、「そこから?」って感じなのですが、ソンはそれを素直に受け止めて頑張って改善を試み、でもすぐには直らないしそればかり気にしてると演奏に集中できないし…
「何日も何日も格闘が続いた(…略…)そして、音そのものが急に変わったことに気づいた。力強く、スケールの大きな音楽が生まれた」
…え。何日も何日も、っていうけど、「日」の単位くらいで弾き方がドラスティックに変えられたらそりゃすごいとしかいいようがないですけども。
ピアノの弾き方って、よほどの初心者でなければ、長年かけて染みついてきたものだし、なかなか変えるというのは難しいですよね。
ダン・タイ・ソンが、そんなレベル(ショパコン優勝)まで到達したあとに、そんな短期間で(たぶん)ガラリと弾き方を変えられたのは、まぁ天才だからといってしまうと話が終わってしまいますが、耳がよくて、もう欲しい音のイメージはしっかり持っていたということなんでしょうか。
とはいえ、弾き方の変革ということになりますと、練習の積み重ねに応じてじわじわ直線的に良くなっていく、という性質のものでもないと思うので、変わるときは突然、なのかもしれません。
突然低レベルな話で申し訳ないですが、ヤマハ教室で大人ピアノ再開してすぐの発表会のビデオを見ると、今と弾き方が違うのは明らかです。どういうふうに変わってきたかというと、何かふと気が付いたことがあって変わり、またしばらくして突然変わりというように、階段状(連続的でない)変化があったように思います。ステップの幅は、大きめだったり小さめだったり…時にちょっと下がってしまったり…と、いろいろですが。
昨日、30分弾いていても、手は特に疲れたりしないし、すごく楽な感じがします。10年前とは違いますし、しばらく前ともやっぱり違う気はします。
音色も、前よりはきれいに響くようになったと思うのですが、実はそれって「大きな音を出さない範囲で弾いている」というところもあって、なにしろアルカンのバルカローレとかスカルラッティだったら、どっすんバリバリ派手なフォルテッシモとかいらないですからね。今回の30分のプログラムも、「どっすん」なところが何もない構成で、強いて言えば一番大きくなるのが「愛の夢」中間部です。
昨日、レッスン中に、そこのところをartomr先生が弾いてみせてくれて、真似をしたりとかしているときに、つられてというかなんというか、ふだんの自分より大きな音が出ました。詰まった音とか、叩いた音じゃなくて、伸び伸びした響きのフォルテだったので、あ、なんだか今の感触でいけば、もっと大きな音を出しても大丈夫イケル(汚くならずに)かもしれないと思いました。階段の先がチラと見えた瞬間です。
ところで、ダン・タイ・ソンがショパコン優勝ののちに弾き方大改造をした話ですが、まだ先があって、プロとして仕事をするようになってから、ニキータ・マガロフからアドバイスをもらったのが、
「少しピアノを弾く動作を変えてみたらどうだろうか。無駄な動きをなくしてみたら」
バシュキーロフとまったく同じことをいっているようだが、その大改造の後なので、またその先の話ということになる。
ソンはまだ少し体を動かし、指を高く上げて弾いていたのだけど「もっと自然な動きがいい」。細かい音符をひとつひとつジャンプしていくのではなくて、ひとつの流れとして弾くほうが効率よく、早く弾くことができて、しかも疲れないと。それから、指は常に鍵盤に触れていること。飛び回っていると、コントロールが難しくなるから。
そしてまたソンの演奏動作が変化して、レパートリーに大曲を加えられるようになっていったそうだ。すごいね…
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