海神の側近を助け、恩恵として祝い用食器を海神から借り受ける村があった。海神の気性の荒さを知っている村人は食器を大切に扱ったが、ある日不心得者が食器を村の外に持ち出して売ってしまった。やがて食器が高値で売れた不心得者が上機嫌で戻ると村は跡形も無く流されていた。
海神の側近を助け、恩恵として祝い用食器を海神から借り受ける村があった。海神の気性の荒さを知っている村人は食器を大切に扱ったが、ある日不心得者が食器を村の外に持ち出して売ってしまった。やがて食器が高値で売れた不心得者が上機嫌で戻ると村は跡形も無く流されていた。
「黒い雄牛……」
「何を言いたいかは大体理解したから黙れ」
「しかし黒い雄牛も鉄人の28番目も、現代では立派な骨董品だと思うが」
「アレは売り物じゃ無い」
彼は生涯でただ一人愛した妻の姿を印章に彫らせ、常に傍らに置いて封緘の証とした。ただ不満なのは、印章の女性を見たものが誰一人としてそれを彼の妻だと認識してくれないことだった。妻は確かに反っ歯で三白眼だったが、彼にとっては印章と瓜二つの美しい姿に見えていたのだ。
たかあきは、厳冬の故郷と桜の狭間に関わるお話を語ってください。
小さい頃に積み木が欲しかったが高価すぎて買って貰えず、代わりにプラスチック製の平仮名と絵が描かれたブロックを貰った。ブロックはブロックとして散々遊べたので不満は無いが、以来、積み木は玩具で遊ぶ歳を遥かに過ぎても消えることの無い憧れの玩具となった。そして現在、旦那は私のお腹の子が遊ぶだろうと貰ってきた桜の廃材で不細工な積み木を作っている。
小さい頃に積み木が欲しかったが高価すぎて買って貰えず、代わりにプラスチック製の平仮名と絵が描かれたブロックを貰った。ブロックはブロックとして散々遊べたので不満は無いが、以来、積み木は玩具で遊ぶ歳を遥かに過ぎても消えることの無い憧れの玩具となった。そして現在、旦那は私のお腹の子が遊ぶだろうと貰ってきた桜の廃材で不細工な積み木を作っている。