カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

骨董品に関する物語・パリの「物理学実験講義」

2019-02-12 20:29:19 | 突発お題

 西洋物理学に関する古書を購入した僕に、家が神社の彼女は和風だったらうちにも似たような物があると言うので見せて貰うことにした。アラビア数字の筆算が使えない中、それでも漢数字で難解な数式を解き明かした昔の日本人は沢山存在するのだが、己が解き明かした数式の実用的な可能性にも気付かぬまま、大概は解答を神社に奉納して満足したらしい。
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骨董品に関する物語・ホーリーカード

2019-02-12 20:27:18 | 突発お題

 神父が海を渡って新しい教会に赴任したばかりの頃、同じ町内に住む異教の司祭は身構える神父に向かって、私はあなたの神の信徒ではないが、あなたの神を信じる方々が生み出してきた絵画や建築を本気で美しいと感じる事が出来ると言い、その言葉が神父に一歩を踏み出させる事になった。
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第三十七景・花折り

2019-02-12 20:24:01 | 桜百景
たかあきは、初春の思い出と桜の骸に関わるお話を語ってください。

 当時の彼は綺麗だねと言って満開だった桜の枝を折り取って私に差し出してきたが、私が思い切り不快な表情を示した途端に不機嫌になって一人で帰ってしまった。その後は人の心が分からない女は御免だと向こうから別れを切り出してきたが、こちらも「桜伐る馬鹿」という言葉も知らない相手は御免だった。
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