カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

第四十五景・輝く嘘と散りゆく桜

2019-02-22 23:25:52 | 桜百景
たかあきは、春の家族と桜の上に関わるお話を語ってください。

 真昼の光は嘘をつくという歌があるが、その嘘は残酷なほどに優しい。ほんの一瞬だけ地上に浮かび上がる幸せな光景を、まるで永遠であるかのように錯覚させると彼は寂しげに笑った。でも、満開の桜が必ず散るのを忘れるのと、必ず散る桜の姿に怯えながらその美を愛でるのと、どちらが幸せな生き方なのか私には分からない。
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