たまたま父の付き添いが私一人になった。ふと、手を握り頭をなでながら、子守歌を歌ってあげた。
「ねんねんころりよ おころりよ 坊やは良い子だ寝んねしな・・・」
父の時代は母にだっこされるのは乳を飲む時だけ。子供の多い田舎の農家の嫁には、我が子を抱く時間なんて無い。まして子守歌なんて。
長男以外、中学を卒業すれば都会に奉公。そして赤紙で戦争。今の子と違って、生まれた時から母に甘える事なんて、出来る時代ではなかった。
一杯抱きしめて子守歌を歌って育てた私の子供達を思い涙がこぼれた。
父ちゃん、向こうに行ったら父ちゃんの父や母に、子供に戻り一杯抱きしめてもらいなさいね。きっと両手を広げて待っているよ。そのうちに私も行くから、そしたら私を抱きしめて。
それまで、こうして手を握っているから怖くはないよ。皆が行く所だから。
「ねんねんころりよ おころりよ 坊やは良い子だ寝んねしな・・・」
父の時代は母にだっこされるのは乳を飲む時だけ。子供の多い田舎の農家の嫁には、我が子を抱く時間なんて無い。まして子守歌なんて。
長男以外、中学を卒業すれば都会に奉公。そして赤紙で戦争。今の子と違って、生まれた時から母に甘える事なんて、出来る時代ではなかった。
一杯抱きしめて子守歌を歌って育てた私の子供達を思い涙がこぼれた。
父ちゃん、向こうに行ったら父ちゃんの父や母に、子供に戻り一杯抱きしめてもらいなさいね。きっと両手を広げて待っているよ。そのうちに私も行くから、そしたら私を抱きしめて。
それまで、こうして手を握っているから怖くはないよ。皆が行く所だから。