ふみさんの日々雑感

生活の事、家族の事、大好きなサッカーの事・・・日々いろいろ

ひとまず家に帰る

2006-11-05 17:51:32 | 父の事
もうダメかもと思った時もあったが、小康状態になったので、ひとまず帰る事になった。出直して来る事にした。すぐに連絡が来るかも知れないが・・・。

しかし、ただ死を待っているだけなのは、非常に心が消耗する。ただ、手を握り、顔を見つめているだけ。そして、思いはただひたすら過去をさまよう。

思うは父が、もっともっと若く元気でバリバリ働いていた頃。子供達を連れて毎年帰っていた頃。田舎に活気があった頃。どこの家にも子供達があふれていた。特に夏休みには、私達のように里帰りした家族で、田舎は賑やかだった。

今は、どこも年寄りばかり。家は昔ながら、でも人々はどこへ行ったのだろうと、思う程歩いている人を見ない。通るのは車ばかり。どんなに近くても車。

私は田舎生まれなのに、今は東京に変えるとホッとする。ここが私の住む所と思うのだ。田舎に帰るたびに、私の恋しい古里は幻想だったのかと思う。

父が旅立ち、母が姉の所に引き取られたら、お墓参りにしか帰らなくなるのだろうか・・・。

でも、又すぐに呼び出しが来るかも知れないが、東京に向かう新幹線の中でホッとしている自分がいる。早く、見なれた景色の中に行きたいと。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

死に行く父ちゃん

2006-11-05 04:09:40 | 父の事
仮眠を取り妹と交代する。手を握りそっと頭をなでながら、やさしく語りかける。

「父ちゃん、大丈夫よ。ここにいるからね。一人じゃないからね。一人にはしないからんね」

体全体で呼吸をする父。口を開け、空気を貪るように。苦しいのだろうな、辛いのだろうな。でも、眉間に皺は寄せない。癌患者末期の痛みが無いのはありがたい。

いとこが見舞いに来て言った。「ウチの父は最後、私にしがみつき苦しいよ助けてくれと言いながら死んだよ。おじさんは痛みが無いから看病するほうも助かるよね」と。

でも、ゼーゼーと息をするのが苦しそう。時々、目じりから涙が一筋。

息子が東京から来て、2時間程手を握って行った。「おじいちゃん、僕だよ、タカシだよ、分かる?」と言ったら、目を開け「おはよう」と言った。そして、よくやる癖のクシャクシャの顔で笑った。一杯一杯、可愛がってもらったね。

時々、大きくため息をつく。「もう疲れた」と言うように。

父ちゃん、ありがとう。もう休んでもいいのよ。と言う気持ちと、こうして、ずっと手を握り髪をなでながら語り続けていたいと言う気持ちと。

自然に命を終わらせるのは、大変な大仕事なのだなと思う。早く、朝にならないかな
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする