前半は、本当にイライラする展開だった。
「シュートしなければ、ゴールないよ」
「シュートしなければ、勝てないよ」
「前が開いているんだから、ドリブルでカウンターでしょ」
「長友、走らなくなったね。無駄走りが無くなった」
「今日は涼しいんだから、もっと走れ」
「パスばっかり回してないで、シュートで終われ」
「足元のパスばっかりでなく、スペースにパス出せ」
もう、本当に私達はうるさかったと思う。仲間はほとんどが女性なので、皆、好き勝手に思った事や、無意識にでも口に出す。前に座っていた寡黙な男性がチラっと振り向く。いつもより、涼しいはずなのに、私は暑い。
待機列に並んでいた時は、雨は大丈夫かなと思っていた。でも、空には半月が…。あまりにも、イライラして空の月に心を落ち着かせようとする。後半は何とかして…と。
後半の後半、大竹くんが入り、ピッチ上が活性化した。鹿島でも、大竹くんが入ってから選手達のゲームへのスピードが上がった。
梶山くんの代わりに、大竹くんにボールが集まり、捌くシーンがあった。オオーっと、前のめりになった。ピッチを大きく横に横切り、縦に走りこむ。“大竹くん”が戻って来た。そして、それがカボレのゴールに結びついた。
ロスタイム前にゴール裏が「眠らない街」と歌い出す。「ちょっと早すぎない?」「この歌を歌うんだから、勝利で終われというメッセージだよ」と言いながらもドキドキしながら、私も歌う。
そして、米くんのビューティフルゴール!
私達は「パスを回すのもいいけど、シュートで終われ!」と叫んでいた。パスパスで途中でボールを失うよりも、絶対にシュートで終わった方がいい。
でも、米くんのコメントを読むと、選手もベンチもそうでは無かったみたいだ。皆、「シュート打つな!」と思っていたらしい。
それは、ないでしょう。パス回しで失敗するよりも、シュートを打って外れる方が、私は拍手をする。余りにも、最近の東京はシュートへの意志が希薄過ぎるのでは。
私達は華麗なるパス回しが見たいのでは無い。ゴールシーンが見たいのだ。シュートに繋がらなく、ミスで奪われるパスはため息でしかない。
素晴らしいミドルシュートを持っている梶山くん。試合のたびに「シュート打て!」と私達に言わせないで。パスミスするよりも、まずシュート!
次は平日のナビスコ清水戦。まずは負けずに、ホームに帰って来よう。
台風が来るみたいで、雨になりそうだが、1Fで応援するのでまずは大丈夫。昔は2Fで応援していたが、一度、1Fで応援したら、目の前の迫力に圧倒された。特に、ゴール前の攻防は息する事を忘れてしまうほどの時がある。それからは、1Fで応援している。
さア、ナビスコ決勝へ!
頑張れ!東京!!