私と娘の合同の誕生会を都内で行った。
もう随分前から、家族の誕生会を都内のレストランを予約して行っている。
いつ頃からだろう。
息子が家を出て、転勤で地方へ行って、千葉の本社に戻ってからかな。
男の子は、家を出ると盆暮れしか帰ってこない。
それで、都心でのランチなら集まれるだろうと、それぞれの誕生会を開くことにした。
娘がネットで探して予約してくれるが、いつも違う所なので、どこに連れて行ってくれるか楽しみだ。
同じ所で食事したのが、パークハイアットと渋谷のセルリアンタワーの上階のイタリアンレストランだけ。
夫が亡くなって、子供たちと3人でのお誕生会は、ちょっと寂しかった。
そして、娘が結婚して、また、4人になり、そして、今は、ゆうながいて賑やかになった。
子供がいるので、個室のある所を予約している。個室代がかかるが、周りのお客さんに迷惑が掛からないし、こっちも気兼ねをしないでいいのがいい。
今回、娘が予約した日本料理屋さんは、何と歌舞伎町。
ええっ、歌舞伎町にそんなお店があるの?
歌舞伎町なんて、何年ぶりかしら。昔は、よく映画を見に行ったっけ。
そういえば、コマ劇場はどうなったのだろうと思ったら、立派なビルになっていた。
その前の広場は、そのまま広場だった。
そして、ビルの屋上のゴジラに、ゆうなが「怖い、怖い」と泣く。
怖がりのゆうなは、保育園での豆まきで、鬼のお面をかぶった先生に怖がって泣きながら近くの部屋に入りドアを閉めて、隅の方で小さくなって泣いたそうだ。
きっと、お母さんもお父さんもいなくて、どんなに怖くて悲しかった事だろう。
でも今は、どんなにゴジラが怖くても、お母さんもお父さんも「大丈夫よ」と抱きしめてくれる。
ゆうなはお父さんに抱っこされて、お父さんにしがみつきながら、ゴジラが見えなくなるまで「怖い怖い」と泣き顔。
息子は、お店の前で待っていた、「良く分からなくて迷ったよ」と。
「お店は、どこから入るのだろう」
エレベーターがあったので、乗ったが、階数も何の表示も無い。
ドアが空いたら、料理屋さんだった。専用のエレベーターなのだ。何階なんだろう、分からない。
案内された小部屋はゆったりしていて、そしてお料理も美味しかった。
子供用のお子様ランチはあったが、ゆうなはお子様ランチが好きではないので、大好きなおウドンにした。
デザートも終わり、「もう、終わりだよね」と言っていたら、障子戸の外に係の人の気配が。
と、電気が消えて「あれっ」 と思ったら、ロウソクが揺れるケーキ類をのせたプレートが。
そうだ、お誕生会だったのだ。
ゆうなに、お誕生会の歌を歌ってもらう。
「たんたんたんたん たんじょうび ふーちゃんのふーちゃんのたんじょうび ふーちゃん おたんじょうびおめでとう」
「たんたんたんたん たんじょうび おかあさんのおかあさんのたんじょうび おかあさん おたんじょうびおめでとう」
種々のミニケーキ類を皆で食べ、バニラアイスはゆうなが独り占め。
帰りは、息子と「またね」と別れ、ゆうなはゴジラを見て、「怖い」ともう一度泣き、お父さんに抱っこしてもらう。
家族で、いっぱいおしゃべりをして楽しかった。
夫が生きていれば、今度は6月にお誕生会なんだけどな・・・と思いながら電車に乗って帰った。