都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

Canon 110 ED

2006-07-25 | 写真・カメラ
 徒然まちあるき日記はどうなったの?、というお問い合わせも受けるが、もうしばらくカメラの話題。

 私が小学生の頃、父が旅行用に購入したのがCanon 110 ED(1975発売)。35mmサイズフィルムではなく、当時コダック社が提唱した新規格の110カートリッジフィルムを使用するコンパクトカメラだった。


レンズ前面のカバーを開けた状態。
 左が合焦用ファインダー、中央がEE用レンズ、右がメインレンズ。クリックでカバーを閉めた状態が表示されます。

 上面の黄色いボタンがシャッターボタン。その横の直線スライド式のノブでピント合わせを行う。EE用レンズ部分に、快晴、晴れ、曇り、ストロボ使用時の4段階の絞りがあり、それに連動して、シャッタースピードが決定される仕組みだったらしい。下側の面にはスライド式の巻き上げノブがある。
 上部右端は日付合わせ用の小窓。側面のギアを回して年月日を合わせる。電子式ではないので、西暦年は84年までしか設定できない。


背面
 左側の裏蓋を手前下へ開け、そこにカセット式の110フィルムカートリッジを入れる。右隅はファインダー。

 コンパクトな110カートリッジを用いることで、薄型でポケットに入るデザインが可能になっている。また35mmフィルムの場合、パトローネから出ているベロを適宜引き出して装填しないと、巻き上げに失敗してしまうが、この110カートリッジはカセットテープのように差し込んで巻き上げるだけだから失敗がない。万事大味なアメリカンが考えそうな仕組みで、確かに便利なのだが、その代わりフィルムの一コマのサイズが小さくなり、画質はいまひとつ。ISO感度も80程度で、高速シャッターが切れるわけでもない。スナップ写真が写りさえすれば良いと思っている初心者向けともいえるのだが、Canon 110EDは日付写し込み機構などもついて、ややお値段が高かった。

 コダックの肝いりで作られた規格だったが、カメラメーカーがあまり対応カメラを出さなかったためか、普及することはなく、今では珍品に近い存在。フィルムもヨドバシカメラなどの大型店でわずかに扱われているに過ぎない。

 ただ、扱いがそれほど難しくないカメラだったので、小学生の頃からときどき借りて写真を撮らせて貰っていた。
コメント (2)
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静岡の雪

2006-07-25 | 静岡県  

 小さな頃にCanon 110 EDで撮った故郷の風景

静岡市北:裏山の茶畑
Photo 1980.2.10

 静岡市はほとんど雪が降らない街だ。東京も一年に二、三回しか積もることがないが、静岡では数年に一度。雪が積もったら大騒ぎである。この日、雪が積もったので、喜び勇んで自転車で裏山に行き、農道を上り、更に茶畑の中を尾根筋まで歩いて写真を撮った。お茶の畝に雪が積もり、縞模様になった写真など、雪の少ない静岡では滅多に撮れるものではない。子どもながらになかなかのショットだったと思うが、やはり画質はいまいち。

 ただこの時、あまりに興奮してあっちこっち歩き回る内にかなり時間が経ってしまい、父親が心配して山を探し回る事態になってしまった。本人は面白くて仕方がなかったのだが、両親はさぞかし心配しただろうと今になって思う。

 静岡での雪の写真は本当に時間との勝負だ。夜半に降り積もったとしても翌朝にはたいがい止んでしまい、お日様が昇ってあっという間に解けてしまう。私が静岡に住んでいる間、このような写真は、その後、二度と撮ることはできなかった。

 次第に一眼レフを使うようになったため、その後はあまり使わなくなったが、Canon 110 ED は、雪を撮りに行った時に使ったカメラとして記憶に残っている。

静岡の街並み
#山  #雪 
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