本覚寺は静岡市駿河区にある日蓮宗のお寺。鎌倉時代の1288(正応元)に、現在の富士市岩淵の中之郷に小庵が開かれたのがはじまりだそうだ。1307(徳治2)に領主から池田の地を譲り受け、1308(徳治3)に現在地に寺が造られたという古刹。
移転の際に植えられたという樹齢約700年を超える大クスノキが立派な寺だが、市内の中心部ではなく日本平山麓にあるためか、静岡の人でも知らない人が意外に多い。
本覚寺 総門
所在地:静岡市駿河区池田137
建設年:江戸時代
Photo 2016.4.30
総門は江戸時代のもので、明治2年に失火で諸堂が焼失した後、明治初期に現在地に移築されたという。
鐘楼は1908(明治41)年に再建されたもの。総門から一直線に東へ向かった木立の奥に本堂が控えている。
本堂は江戸時代後期の1818(文政元)年築。瓦葺きだったそうだが現在は銅葺き。ただ内部は鎌倉時代のままなんだとか。静岡市内にもかなり古い時代の建物があることに驚く。
宝蔵だろうか。だとしたら1870または71(明治3または4)年に建てられたもの。本体は石造か木造モルタル塗、入口の唐破風部分は木造モルタルだろうか。
本仏堂は、南北朝時代の1321(元亨元)年もので、これも移転直後の時期のものでかなり古い。高松の海中から見つかった木像の釈迦牟尼如来などを安置しているそうだ。
大クスノキは2本あり、片方は樹齢約700年、もう一方は約670年だという。共に樹高約35m、幹回り7m以上で県指定の天然記念物。枝振りも40m近いのではないだろうか。下を通っている軽トラックと比較すると、いかに大きいかわかる。
大木の近くまで行くと頭上高く覆い被さってくる。一本は塀の内側、もう一本は道路側にあるが、両方とも葉をたくさんつけていて元気だ。眺めているとなんだか有り難い気分になってくる。巨木巡礼というのもいい。
幼少期にこの近所に住んでおり、散歩で連れられて訪ねたりしていたので知っていたが、同級生などとの会話で話題に上ったことは一度もない。30年ぶりぐらいに訪ねて、クスノキの巨大さに改めて驚愕し、良い雰囲気の境内を持つ寺が近くにあったのだなと、改めて感じた次第。
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