「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

    ”赤い羽根”募金と若者の社会奉仕

2010-10-03 05:26:48 | Weblog
”赤い羽根”の募金募金の季節である。すっかり忘れていたが、先日国会で所信表明
演説をした菅総理の胸に”赤い羽根”があったので思い出した。かっては10月1日にな
ると駅前などの繁華街で制服姿の若者が”お願いします”と道行く人に声をかけ、これ
が季節を告げる風物詩にもなっていたが、最近はあまりみられなくなった。

共同募金は米国からの”輸入”だそうだが昭和23年から始まった。僕が大学に入學した
年だが、僕も国鉄(当時)の市ヶ谷駅前で募金をしたのを覚えている。まだ東京には焼
跡が残っており、食糧難から大学も6月から夏休みに入った時代である。”赤い羽根”募
金の目的も戦災者救済だったような気がする。

僕の住む町会では年に数回廃品回収で得たおカネを共同募金に寄付しているが、ネット
で調べると、募金額は1997年から年々減少しているそうだ。集金手法が強制的で、集金
の配分が不透明だというのが原因らしい。どうもその頃から、子どもたちが駅頭で行う募
金姿も少なくなってきた。

安倍内閣の頃「教育再生」「美しい国」政策で、青少年の社会奉仕が話題になったが、民
主党政権になってからは消えてしまった。逆に高校の授業料無料化とか子ども手当といった
僕ら後期高齢者世代からみれば、子どもへの”甘やかし”ばかりである。昭和20年10月、戦
争が終わって、2か月も経っているのに、僕ら中学3年生は”お国のために”焼跡整理に勤労
動員された。今は”お国から”黙って手当てが貰える。これでは社会への関心が薄れ”甘え”
を増長させるだけだ。