「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

     TPP参加 日本農業は果たして大丈夫なのか

2010-10-27 06:34:22 | Weblog
前原誠二外相が昨日TPP(環太平洋戦略経済連携協定)参加について”政治的に待ったは許されない”と積極的に参加への意思を表明した。どうやら来月のAPEC(アジア太平洋経済協力)会議にむけて、さらにアクセルを踏み込んだようだ。しかし、これをめぐって与党、民主党内でも反対意見が強いみたいだ。どうも、この党は国の存続にもかかわる重大問題を"場当たり"的に決定する傾向があるみたいだ。

確かに菅直人総理は就任所信演説の中でTPP参加には触れてはいるが、その時点でどれだけの国民がTPPについて理解し、事の重大さを知っていただろうか。大方の国民がTPPという言葉を知ったのは、先日前原外相がTPP参加について"日本はGDP(国内総生産)1・5%の農業保護のため残り95・5%の産業を犠牲には出来ない”とあたかも農業切り捨てとも思われる発言をしてからだ。

この前原発言をめぐって当然のことながら筒井信隆・農業副大臣が抗議、党内からも強い反発が出てきているようだ。先日の参院予算委員会でも与党の川上義博議員が”TPP参加について党内で熟議、相談ができているのか”と菅総理に質問し野党から拍手を受けていた。

農水省の試算によると、日本がTPPに参加すると、国内の農業総生産は4兆1000億円も減る。これは2007年度の農業総生産の48%に匹敵する額である。そして食糧自給率は14%にも下がる。いってみれば、日本の農業は壊滅状態になってしまう。民主党の昨年衆院選の政策決定による農家への戸別所得補償制度なんかではとても及ばない。日本の食糧安保にかかわる問題である。時には政治的な待ったも必要である。