「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

「当事者ではない者」の謝罪

2015-04-28 05:41:41 | Weblog
作家の曾野綾子さんが産経新聞のコラム「小さな親切大きなお世話」(首都圏版4月26日)の中で、思わずもろ手で拍手をしたい意見を述べていた。すこし長いが引用させて頂く。「謝罪ということは、直接の被害を受けた人と、与えた人とが、現在そこに当事者としている場合にしか、なし得ないことではないだろうか。仮に私個人に、70年も前に起きたことを今でも言い立てる人がいたら、そういう性格の人とは付き合いたくないと思うに違いない。70年前、顔を見たこともない私の曽祖父が犯した悪事を、今普通の市民として私に責められても謝りようがない」。

まったく曽野さんの言うとおりである。しかも、付言すれば、その”悪事”に対して、わが国はすでに謝罪して代償を支払っている。どうも日本は人が良すぎるのではないだろうか。それでいて当然謝罪を要求すべき問題なのに黙ったままである。

ロシアのプーチン大統領が、来月モスクワで対ナチス戦勝70周年式典を開くからと安倍総理に招待状が届いた。安倍総理はグルジア問題もあり参加しないそうだが、どうも日本人の感覚では、ロシア人の心は理解できない。自国にとってはナチスへの勝利を誇示し、グルジア問題解決の糸口を探ろうというもののようだが、日本はあまり無関係である。逆に依然として北方領土を占領したまま、シベリア抑留問題については、ただ口先で謝罪しただけだ。

広島、長崎原爆を初め、東京大阪大都市で、国際条約に違反して、非戦闘員の一般市民が数十万も殺されている。これに対して、わが国は相手国に対して公式な謝罪要求をしていない。逆に、すでにきちんと条約を結び、解決ずみなのに”謝れ謝れ”との声が依然聞こえてくる。個人対個人の問題ならば、こういう性格の悪い人ならば、曾野さんの言うようにおつきあいしなければ、よいのだが。、

最新の画像もっと見る

コメントを投稿