「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        信州の”おやき”と”おせんべい”

2010-08-27 04:59:33 | Weblog
先日の信州への旅で”おやき”を堪能してきた。”おやき”は、最近は東京でも時々
売られているが、信州生まれの素朴な食べ物だ。小麦粉を練って皮を作り、その
中に野沢菜、ナス、大根、カボチャなどをくるみ,蒸したり、焼いたりしただけのもの
だが、やはり不思議と現地でたべるのが、一番おいしく感じる。

老妻の実家は善光寺さんのお膝元の長野市の在だが、このあたりでは蒸して食べ
る”おやき”が主流だ。彼女の話では、昔はお盆とか彼岸など仏事のさい、家庭で
作って食べたそうだ。これが一般化したのは何時ごろからであろうか。半世紀前僕
が長野で勤務していた時にはなかった。

”おやき”ほど知られていないが、この地方で”おせんべい”と呼んでいる郷土食が
ある。一般の”おせんべい”とは違う。小麦粉を練って、これに”おやき”と同じような
野菜の具を混ぜ、フライパンで焼き、これにお好みのソースやマヨネーズをつけて食べ
るだけのシンプルなものだ。北海道の会社で同僚だった長野市出身の親友が、この
”おせんべい”が大好きで、よく一緒にこれをオカズに酒を飲んだものだった。

東京生まれの僕には、こういった郷土食がないのが寂しい。しいてあげれば”くず餅”
ぐらいであろうか。半世紀前、長野からわが家に嫁いだ老妻は、東京にくる前までは食
べたことはなかったといっている。亀戸の天神や川崎大師の名物で、一般の家庭では
作ることはない。その意味では”おやき”や”おせんべい”とは違うがー。

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2 コメント

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食べたくない? (chobimame)
2010-08-27 16:26:14
私の知人の親御さんが長野の奥の方の出身らしいのですが、蕎麦とおやきは子供の頃からの常食だったので、もう食べたくないないと言っていました。私たちから見たら美味しい物なのですが。戦争中の芋などと感覚が同じようです。面白いですね。
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信濃の国 (kakek)
2010-08-27 17:31:09
chobimame さん
長野県には”信濃の国”という県人なら誰でも知っている共通の歌があります。しかし、一方では北信(長野市)中信(松本)南信(諏訪)
東信(上田)で、食習慣も微妙に違うようです。たしかに食糧難の時の影響が残っている人もいますね。今回土産に善光寺近くの院坊に卸している店で買ってきましたが、安くて美味しかったです。
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