「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

比大統領の来日 日本の新聞の価値判断

2014-06-26 05:35:57 | Weblog
「比大統領 集団的自衛権を支持 首脳会談」と、いささか読者には不親切な記事が、産経新聞5面総合面に小さく載っていた。一般の読者にとってフィリッピンのアキノ大統領が来日したのも知らないし、いわんや何の目的なのかもわからない。アキノ大統領は、日本の肝いりで広島で開かれた、同国内の反対勢力、ミンダナオ.モロ解放戦線(MNLF)との和平会議に、出席、その機会に安倍総理と会談したものだ。産経の記事では、いっさい、その背景には触れていない。他紙はどうかと、娘が購読している東京新聞をみると、ニュース自体が一行も報道されていない。

フィリッピンといえば、日本の近隣の友好国の一つであり、昨年7月、安倍総理もマニラを公式訪問、アキノ大統領との間で、南シナ海での中国の海洋進出に対して巡視船10隻を供与、戦略的パートナーを組み、共同の防衛計画を発表している、いわば戦略的な同志である。フィリッピンでは安倍総理の訪問について、国内上げて大きく報道された。今回のアキの大統領の訪日は、公式訪問ではないが、いわば安倍総理の訪問に対する答礼的な意味もある。

フィリッピン政府にとって、MNLFとの抗争は40年来最大の国内問題であって、同国の発展を妨げてきた。日本の国内の新聞はほとんど、この問題を扱わないから、僕も最近の情勢を知らなかったが、今回の広島会議で解決に向かっていることを初めてしった。それも解決に向けて、日本のJICA(国際協力機構)が、経済協力、技術支援の面で多大な功績がったのも知った。モロとは現地語でモスレムを意味する言葉だが、イスラムがからむ政治問題は解決が難しい。JICAが、どのような形で協力に関与したのか。読者は知りたいのだが、新聞は伝えない。どこか日本の新聞は価値判断がおかしいのではないだろうか。


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4 コメント

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偏見 (chobimame)
2014-06-26 09:06:33
日本の新聞は、公平さに欠け思想に走りすぎです。マスコミの興味のあるのは、中国韓国だけ。その他の国に関しては、バカにしているのではないかと思うくらい取り上げません。どこを向いて記事を書いているのか?日本の新聞社は、ある時代から頭が硬くなっているのでしょうかね?世界は、米国、中国、韓国だけではありません。
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友好国への礼儀 (kakek)
2014-06-26 09:43:23
chobimame さん
フィリッピンというと、戦争末期、再上陸した米軍との間の激戦で、戦死者が出たイメージと、極東裁判史観から、反日国家視されがちだが、大東亜会議には、ホセ.ラウエル大統領が参加しています。ホセは戦後このために一時政界から追放されたが、復活、現在のサルバドール.rラウエル副大統領は、ホセの子供です。
ご説の通り、アジアのニュースは中国と朝鮮半島の、しかも過去の事が多すぎます。フィリッピンの事などまず、報道されません。友好国が多いのも”抑止力”です、儀礼としても元首の訪日位、写真入りで扱うべきです。
くだらない犯罪報道が多すぎます。
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くだらない犯罪報道が多すぎ (wacin)
2014-06-26 10:35:40
Kakek様のご指摘のとおり、最近のテレビ、新聞はくだらない犯罪報道ばかりで、困ったことです。フィリピン問題は中国に気兼ねして話題にしないのかもしれません。
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変な気兼ね (kakek)
2014-06-27 06:50:10
wacin さん
僕も変な気兼ねがあるのではないかと感じました。気兼ねは日本人の”美徳”ですが、はたして気兼ねが解る相手でしょうか。国賓でなくとも、隣国の元首です。礼を失します。
モンテンルパとかバターンなどの記憶から、フィリピンは僕にはあまり良い印象がなく、一度も出かけたことがないのですが、時間があれば調べたい国です。
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