「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

40年前の新人社員も役員定年

2013-08-18 06:33:57 | Weblog
1960年代の後半から70年代初めにかけてUHFの民間テレビ局が続々と誕生した。まだコンバーターをつけないと受信できない時代であった。もう40数年も前のことだ。開局に携わった僕らはまず、街の電気屋さんを回ってコンバーターの普及販売が最初の仕事であった。当時はベトナム戦争の最中で、僕は新聞社で国際問題を担当していたが、ある日突然、同系の民放行きを命じられ、半年間の実務研修を受けて、郡山に誕生したテレビ局に営業担当として赴任した。

郡山の局には約2年間勤務、経営が軌道に乗り出した頃、親局の番組ネット.チェンジの関係で、今度は札幌の開局を命じられた。まさにサラリーマンとは将棋のコマみたいなものである。札幌の局にはあしかけ10年勤務したが、一身での都合で50歳の時、みずから仕事をやめた。もう、それからでも30年の歳月がたつが、最近、この勤務した二つの局から社報が届き、それを見ると、開局当時の新人社員で役員まで昇進した連中も定年で退職した。

個人的なことで恐縮だが、僕は50歳で仕事を辞めているので定年を経験したことがない。一つの会社で一つの仕事をやり遂げたたという喜びを味合ったこともないが、逆によく言われるサラリーマンの悲哀も知らない。逆に結果的だが4回も中途半端な額の退職金を貰っている。80歳を越えた今、半生を振り返ってみて、50歳で退職したのがよかったのか、それとも定年まで勤務するのがよかったのか考えることがある。一概にはいえないが、こうして元気で勝手放題、ブログ三昧でいられるのだから、早くサラリマンにグッドバイしたほうが正解だったかもしれない。超高齢化時代だけに人生の後半の生き方は難しい。

最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
今は (chobimame)
2013-08-19 15:41:57
今は、余ほどに肩書きがあり伝がない限り、50歳で退職したら路頭に迷います。
職もないですし、年金も怪しい限りです。
なので、正社員になったらしがみつきます。
バブルの頃は、職場選択の自由だなんて言葉が流行り、転職ブームでしたが。
今は庶民には何の自由もありません。
返信する
労働市場のない閉鎖的就業 (lordyupa)
2013-08-20 09:47:27
chobimameさんのいわれるように、特殊な専門技術・技能保有者や有利な人脈を獲得した人物以外には、自由な労働市場が日本には実質ないように感じます。単身赴任などというイビツな家族形態や幼稚園か始まる受験地獄なども、正社員の終身雇用という戦後生まれの賜物。ただし、労働者の9割以上を占める中小企業では、正社員の解雇は日常的ですが。通年解雇と通年採用方式ではないので、年齢差別(たまたま不況で採用されなかった既卒者、能力の差を認めず、一律定年になると機械的に全員解雇)が際立った閉鎖的な就職環境です。

敗戦後の高度経済成長時代に、戦前にはなかった終身雇用制度が、大企業では「新卒者の一括採用と定年での一括解雇」とい労働慣行を生んだ。日本から一歩踏み出せば、先進国・新興国でも、ほとんどの国々では、ブロガーの書かれたように、職業は大体同じだが、勤務先は相当に替わることができる社会制度が大半です。これからは、国際競争環境の変化も激しく、新卒正社員となっても、40年のあいだには、日本の大企業といえども、倒産や事業分野の大変更などが頻発し、大量解雇も増えると思います。ブロガーのような就業方式へと大転換せざるをえなくなる時代が到来すると感じます。
若者たちが夢をいだき新しい企業をおこそうとする気迫も、ほころびの出始めた終身雇用制度(寄らば大樹の陰の安定指向)は奪っていて、新産業・新企業を生みだす活力が日本にはありません。米国、台湾、シンガポールなど、大学を卒業した若者たちの中には、公務員や大企業での長期雇用の安定を望まずに、失敗をおそれず、敗戦後のHondaやSonyの創業者魂をもったものが多数いるように思います。
アベノミクスを成功させるには、特に、「第3の矢(成長戦略)」には、21世紀のグローバル競争環境のなかで、終身雇用制度(正社員の一括採用・一括解雇と絡む受験制度とも関係)の見直しも必須だとかんじます。
返信する
生涯所得 (kakek )
2013-08-20 09:56:01
chobimame さん
年功序列型は、日本的でよかったですが、閉塞的でした。難しいですが、自分に適しない職にしがみつくよりは、好きな仕事に変わるのも、一つの方法です。しかし、それには、あらかじめ周到な準備が必要です。僕の場合、生涯所得ではマイナスですが、平均寿命を越えて元気でおあれるのはプラスだったと思っています。
返信する
一度限りの人生 (kakek)
2013-08-20 10:21:03
lordyupa さん
現在の実社会は知りませんが、寄らば大樹の下、終身雇用で育った者も取っては、途中退社して転職するのは冒険でした。脱サラという言葉が一時ありましたが、手によほどのものを持っていないと冒険でした。
テレビ情報では、大手会社では"国際化”が進み、外国人社員を大量に採用し、職場での”英語化”が進んでいると聞きます。しかし、それは一部の会社だとおもいます。しかし、将来少子化が進めば、一般の企業でも外国人が多くなると思います。その場合、日本人と外国人との賃金格差をどうするか、社会保障制度をどうするかなど色々ありますね。
一生に一度の人生です。大切にしたいものです。
返信する

コメントを投稿