「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

      言葉だけの問題? インドネシア看護師の帰国

2012-01-05 07:49:55 | Weblog
読売新聞1月4日朝刊2面(首都圏版)トップ記事に「インドネシア看護師日本就職低調、言葉の壁半数以上が帰国」とあった。インドネシアからの看護師候補は2008年の同国とのEPA(経済連携協定)で初年度104人が来日したが、3年間の滞在期間内に日本の国家試験に合格したのは僅か15人であった。いま特別に滞在延長中の27人を入れても半数以上の63人がすでに帰国した。読売新聞は、この原因は日本の国家試験の日本語による出題に問題がある、と指摘している。果たしてそれだけのことであろうか。

昨年11月、僕はインドネシア旅行を終えて、ジャカルタのスカルノ・ハッタ空港のゲートが開くのを待っていると、制帽の黒のソンコ(国民帽)をかぶった一群の若者が、意気揚々と整列して僕の前を通っていた。わが国がインドネシア労働省との間で結んだ協定に基づく公益財団法人「アイム・ジャパン」の研修生の青年たちであった。4年前に訪日した、看護師候補の若者たちも、おそらく彼らと同じように希望に燃えて来日したはずであった。

それが志半ばにして、契約期限が切れたとはいえ半数以上が帰国するのは問題である。確かに国家試験の出題で日本人でもわかりにくい「褥瘡」(床ずれ)などがあったようである。しかし、最初に合格した看護師二人は地方の小さな病院に派遣された人たちだ。偶然彼らに話を聞く機会があったが勿論彼らの努力もあったが、それ以上に一方ならぬ周囲の特別な配慮があった。

わが国では外国からの看護師候補を、多くは人出不足の解消と考えていて、食膳配りとかお風呂の手伝いぐらいしかさせないらしい。日本の高い医療看護を学びに来た彼らとの間には大きなギャップがる。初期の「アイム・ジャパン」の研修もそうであって、夢破れた研修生の中には無断で研修先を”逃亡”して帰国する者が続出した。

国家試験の日本語が難しいといったことも一つの原因かもしtれない。しかし、問題はこのプロジェクトが日イ両国の経済連携協定に基づき実施されていることを関係者が再認識することである。必要なのは関係者がもっと誠心誠意ことに当たり、異文化摩擦の解消に努めるべきである。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
形だけ (chobimame)
2012-01-05 15:59:34
政府は、根本的な問題を棚上げして異国から経済支援や人道支援などの名前で人を募集しても上手くいくわけがありません。政府のとる政策は、どうしてこうも薄っぺらくて表面的なのてしょうか。日本人の看護師ですから離職率の高い職場環境なのに、そこに高いハードルをつくり外国人を投入しても気の毒なだけです。夢を抱いてやってきた外国人からみたら詐欺にあったようなものです。知人に看護師がいますが、日本の医療現場は働く場所としては劣悪です。なので段々と士気が下がり看護の質も低下します。日本の医療は内部からも崩壊しています。
返信する
玉虫色では解決できない。 (kakek)
2012-01-05 18:06:00
問題をchobimame さん
将来人口が減少して外国人労働者に頼らざる時代が必ずきます。今は適当な”玉虫色”の解決に頼っていますが、破綻が来ることは必至です。インドネシアもフィリッピンも外国からの労働者からの送金が、国の収入のかなりの部分を占めています。ボランティアの仕事ではありません。UAEは百%近く外国人の労働に依存しています。ビジネスとして、外国人雇用をしています。日本は将来を考えてこの問題に取り込まないと、西欧諸国と同じようなことになります。
返信する

コメントを投稿