Miroslav Kultyshev - Mazeppa
「マゼッパ」 - ユーゴーの叙事詩に感銘を受けたフランツ・リストの音楽作品。1838年から1851年の作曲。
往年の名ピアニストのリヒテル、ホロヴィッツ、そして世代交代しつつあるポッリーニの演奏から考えると、最近は「小粒」になったなあ、と思う。
オペラもそう、そしてヴァイオリンなどスターンの古武士のような凄さ、オイストラッフの大自然を思わせるスケールなど、何と大胆な演奏だったことか。
まだ未知数の若手、クルティシェフというピアニストに注目している。
彼は音楽の構成力が確かで、強靭なフォルテの音も濁っていない。
ただピアニッシモは、かつてリヒテルが奏でていたような神々しさはない。
リヒテルをはじめて聴いた時、3000人収容のホールが割れるようなものすごいフォルテ、そして神々しい美の極致のピアニッシモの対比に唖然となったことを思い出す。
ソ連という「鉄のカーテン」から、はじめて日本に姿をあらわしたリヒテルの凄さ、この時は一生忘れられない・・・スターリンの粛清におびえ、自分の家の電話番号も覚えられないという精神状態だった彼は、スターリン体制が終わってもそれが癒えることはなかったという。
そして全く違うタイプだが、このクルティシェフ、なかなかのピアニストだ。
ひたすら音楽に身を任せている真摯な姿、小手先の表現を一切つかわず、きちっと構成する音楽的直感が若さに似合わない。
そしてこうした超絶技巧のピアノ曲でも、「刃こぼれ」がない。
超絶技巧そのものよりも、音楽の世界を感じさせる。
しかし、まだ未知数だ。
これからの生き方により、どう伸びるのか・・・。
このピアニストはチャイコフスキー・コンクールで一位ではなかった。しかし、聴衆は「一位だ、一位だ!」と絶賛したという。
「マゼッパ」 - ユーゴーの叙事詩に感銘を受けたフランツ・リストの音楽作品。1838年から1851年の作曲。
往年の名ピアニストのリヒテル、ホロヴィッツ、そして世代交代しつつあるポッリーニの演奏から考えると、最近は「小粒」になったなあ、と思う。
オペラもそう、そしてヴァイオリンなどスターンの古武士のような凄さ、オイストラッフの大自然を思わせるスケールなど、何と大胆な演奏だったことか。
まだ未知数の若手、クルティシェフというピアニストに注目している。
彼は音楽の構成力が確かで、強靭なフォルテの音も濁っていない。
ただピアニッシモは、かつてリヒテルが奏でていたような神々しさはない。
リヒテルをはじめて聴いた時、3000人収容のホールが割れるようなものすごいフォルテ、そして神々しい美の極致のピアニッシモの対比に唖然となったことを思い出す。
ソ連という「鉄のカーテン」から、はじめて日本に姿をあらわしたリヒテルの凄さ、この時は一生忘れられない・・・スターリンの粛清におびえ、自分の家の電話番号も覚えられないという精神状態だった彼は、スターリン体制が終わってもそれが癒えることはなかったという。
そして全く違うタイプだが、このクルティシェフ、なかなかのピアニストだ。
ひたすら音楽に身を任せている真摯な姿、小手先の表現を一切つかわず、きちっと構成する音楽的直感が若さに似合わない。
そしてこうした超絶技巧のピアノ曲でも、「刃こぼれ」がない。
超絶技巧そのものよりも、音楽の世界を感じさせる。
しかし、まだ未知数だ。
これからの生き方により、どう伸びるのか・・・。
このピアニストはチャイコフスキー・コンクールで一位ではなかった。しかし、聴衆は「一位だ、一位だ!」と絶賛したという。