G.Verdi NABUCCO, Act IV (Piero Cappuccilli) - Arena di Verona
4分30秒あたりからはとらわれの王が再起する名場面です。
私にとって、「ナブッコ」というと3つ思い浮かぶ。
わが師、ジーノ・ベーキが主演、当時若かったマリア・カラス、そして偉大なヴィットリオ・グイの指揮による戦後まもなくの上演、海賊盤で聴いて感動したものだった。
2つめはスカラの上演で、名指揮者ムーティ、バリトンのブルゾン、そして圧倒的な声の威力を誇るディミトローヴァ。
3つめは、この動画のカップッチッリである。
カップッチッリの「王の中の王」ナブッコ、侵略者として恐れられていた英雄の王が、娘のアビガイッレに捕えられ、王位を失い捕虜となるが、ここで王は「王たること」とは何かを悟り、やがて民衆の求めにこたえて、本物の「王の中の王」となるのである。
この動画は悔悟するとらわれのナブッコが、やがて民衆の声に応じて剣をとる名場面、カップッチッリが歌うと「漢」になる、ふと「史記」が浮かぶのだ。
Kenさまが40歳をすぎれば、この偉大なオペラを歌ってほしいと願う。この役はヴェルディのオペラのなかでも特別の意味をもつオペラなのだ。
「王の中の王」とは?覇王と王道とは違うのだ。