ベッラのブログ   soprano lirico spinto Bella Cantabile  ♪ ♫

時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。

Renata Tebaldi "Liu's death scene" Turandot

2012年06月21日 | オペラ
Renata Tebaldi "Liu's death scene" Turandot
・・・・・「氷のような姫君のお心も(汝、心冷たき者よ)」は5分20秒あたりから。

1950年代から60年代にかけて「世界最強のコンビ」とでも申しましょうか、レナータ・テバルディとマリオ・デル・モナコの歌う「トゥーランドット」、韃靼の奴隷娘リューがカラフをかばって自殺する場面です。

テバルディはソプラノ・リリコ・スピント、それにしてもなんというスケールの大きな歌唱でしょう。
そしてカラフを歌うデル・モナコ・・・もうこのような奇跡のような歌唱は聴けないのでしょうか。

絶世の美女で紫禁城の姫君トゥーランドットは、ワーグナーを歌う絶大な声のドラマティックソプラノが歌い、一方、純情な奴隷娘のリューは可憐なソプラノ、と思ってテバルディのリューを聴くと、イタリアのプリマドンナの矜持を感じます。

「リューは控えめだけれど、気性の激しい娘なんですよ、姫にtu(トゥー、君とか汝とか)と決然と呼びかけ、皇子カラフに愛されないけれど彼をかばって自殺するほどの情熱があるのです」とT先生は教えて下さった。(私はもちろんリューを勉強したし、リューの声に適していると言われた・・・ただし、カラフのような男はごめんだ!)

プッチーニはリューの死で絶筆となった、ここでトスカニーニはタクトを置いた、ということが、テバルディの歌唱で「もうこのあとは聴かないでもいい」と思うほど、圧倒的なのだ。

レナータ・スコットは「技の人」であり、レナータ・テバルディは「偉大な声」のプリマドンナであった・・・。デル・モナコと最も声が合うソプラノ、ともいわれた。



6月21日のアクセス数 閲覧数:4,498PV
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Non piangere Liu - Placido Domingo (Calaf, Turandot)

2012年06月21日 | オペラ
Non piangere Liu - Placido Domingo (Calaf, Turandot)


メトロポリタンのライヴから、プッチーニ「トゥーランドット」

ドミンゴの歌う韃靼の皇子カラフ、ミッチェルの歌う奴隷娘のリュー、演出はゼッフィレッリという豪華版。

リューの止めるのもきかずに、絶世の美女で紫禁城の姫君トゥーランドットに憧れ、ドラを鳴らす韃靼の皇子カラフ。

フランコ・コレッリの突然の引退後、いつも代役をしていたドミンゴがカラフを歌い演じる。堂々たる舞台姿、歌唱、どれもドミンゴは韃靼皇子カラフにうってつけだったが・・・それはコレッリを知らない人か?



ではオペラの後半、リューは死をもってカラフを護る、それをみた姫の心に変化が・・・レナータ・スコットが歌う「氷のような姫君のお心も」・・・ここでは姫君と訳されているがイタリア語の歌詞はTUである。決して「姫君」ではなく「汝」である。かつては「汝、心冷たき者よ」と訳されていた。

TURANDOT - CORELLI & SCOTTO " TU CHE DI GEL SEI CINTA " PUCCINI.


作曲者プッチーニはこの場面で絶筆となった。
指揮者トスカニーニは「先生はここまでお書きになりました」と静かにタクトを置いた。あとのハッピーエンド(皇子カラフとトゥーランドット姫のめでたしめでたし)を完成させたのはプッチーニのお弟子のアルファーノであった。
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