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時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。

資質を疑うプーチンの行動/プーチンとロストロポーヴィチの対極の境遇/奥山篤信氏『赤い闇スターリンの冷たい大地で』映画評

2022年03月02日 | 政治

1,ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月1日放送)に東京大学先端科学技術研究センター専任講師の小泉悠が出演。

飯田)映像も出ていますが、ウクライナ東部ハリコフでは、住宅地に対してロケット砲などによる無差別攻撃が行われています。チェチェンやシリアで行われたことと、同じような状況になりつつあるのだろうかと思いました。

小泉)おっしゃる通りです。廃墟になったグロズヌイなどを想起してしまいました。ハリコフや美しいキエフが、あのようになってしまうのだろうかと考えるのは辛いですね。決裂はしなかったということなので、もちろん厳しいのですが、今後の話し合いに期待したいと思います。

資質を疑うプーチン大統領の今回の行動

飯田)「いままでのプーチン大統領であればうまくやっていたのではないか」「プーチン大統領は豹変したのではないか」と疑うアメリカの有力議員も出ています。

小泉)今回はあまりにも国際社会の反発が大きすぎるようなやり方で、ウクライナに対して戦争を仕掛けているわけです。しかも、なぜいまこんなことをしなければいけないのか、合理的に考えてもよくわかりません。

飯田)なぜいま行うのか。

小泉)「ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に入ったら困る」という地政学的な思惑はよくわかりますし、私も自分がロシアの国家指導者であれば、ウクライナには中立でいて欲しいと思います。ですが、この1年~2年でウクライナがNATOに入ることは、現実的にはあり得ないことです。

飯田)1年~2年で入ることは。

小泉プーチンさんが言うような「ウクライナ東部でロシア系住民が虐殺されている」とか、「実はこっそり核兵器をつくっているのだ」という主張も、根拠が薄いですよね。なぜ、こんなことをするのか。確かに私もプーチンさんの資質を疑うところはあります。

全文は 確かに「資質を疑う」プーチン大統領の今回の行動 ~ロシアとウクライナの停戦交渉 - 記事詳細|Infoseekニュース


2,〜京都の芸妓しんこどす!〜寄稿してくださいました。

ほんまコメディアンというか漫才師というか、ウクライナのゼレンスキー大統領 
実はうちは最初プーチンのダミー(ぐる)かと思ってつるんでいると危惧していたんどす。


ところがどや テレビで<次に国民の皆様にお会いするときは生きている間にはないかも知れない>と側近たちや海外の 自由圏の国がいつでも捕縛される危険から救い出しやすいところにとキエフではない場所に移ることを説いたのに、頑とそれを拒否し首都の防衛のためキエフにとどまると。

しんこもこの画面見て、誤解した自分が恥ずかしくて、許しておくれやす、そんな真面目な本物の政治家やいうことが今わかりましたと涙ながらに呟きました。

まさに最後まで命を惜しまず国民と一緒に戦う、これこそが政治家の真髄どす。
敵前で逃亡 しかも司令部がなくなったらおしまいやあとかいう合理主義ではない世界、まさに男の本懐やあ美学やあ 

うちはやっぱり国民を率いていく政治家としての<命を捨てても国家国民の一緒に死ぬんだ。いや真っ先に死ぬ>
そんな覚悟のない人が政治を志すなどおお間違いどす。
死んでも日本のために国民のために自分を犠牲にすること そんな覚悟のない人が多すぎどすええ。
ぼっちゃまのアソウさんやぼっちゃまのアベさんやぼっちゃまの八方美人のハヤシさんやら、うちら庶民はアホらしくてこの人たちに国を任せることはできまへんわ。
そうかと言ってどっかのあの目立ちたがり屋の軽佻浮薄なタロウやらシンジローやらもういや拒否どす。

日本の政治屋は口先だけあるいは勇ましい大言壮語 こんなもんすぐ化けの皮はがれますわ。
ゼレンスキーは顔まですごくようなった。コメディアンの不真面目さなどおまへんわあ!
ほんま生き延びてウクライナを自由国家としてEUに加盟させてやっておくれやす。
うちの大好きな上品なEU委員長がゆうてはりますわあ!

See the source image

EU委員長
ウルズラ・ゲルトルート・フォン・デア・ライエン(独: Ursula Gertrud von der Leyen, 1958年10月8日 - )

ウクライナ なぜロシアは侵攻したのか: 日本経済新聞 (nikkei.com)





3,私の尊敬する友人、さらりんさまからご紹介いただいた記事を読みました。
>昨日(28日)のFNNオンラインの記事です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4810a65a6b180f7c9e92a9e01d305a3e455827f2

プーチンが何故これほど頑ななのか、
古典的と揶揄されるような侵攻を続けるのか、
勿論全てではありませんが、
上記の記事が今の私には納得する面が多くありました。

西側諸国が歓迎したドイツ統一もソ連の崩壊も
自分の世界観が根底から覆る出来事であり、
屈辱的な事として染みついていたのだろうと。

しかしながら強権的に支配され
不自由であったことが当たり前だった人々が
自由を手に入れたとき
その人たちの心を縛り付け
従わせ続けることは不可能なのです。(以上、さらりんさまより)

・・・ブログ主より・・・私はかつて作家ソルジェニツインを別荘に匿いソ連当局から守った世界的なチェリスト、ロストロポーヴィチが「人民の敵!」とされて国外追放を受けたこと、そしてその演奏の素晴らしかったこと、彼の夫人のソプラノ歌手であるヴィシネフスカヤ著「ガリーナ自伝」を読んで、当時のソ連の無法な政治を知ったのでした。
今も戦慄する内容でした。ショスタコーヴィチ、オイストラッフ、リヒテル、ムラヴィンスキーなど、世界最高峰である綺羅星のような芸術家が、大変な圧力を受け、オイストラッフは自宅のドアを開けるのも怖れ、リヒテルは自宅の電話番号も覚えられないときいていましたが、この実態を知るとよくこの状態で最高の演奏ができたということに驚きました。
ショスタコーヴィチは一見、政府に従っているように見せかけ、第5交響曲の中に「暗号」を入れたりして「強制された喜び」を書いたのです。その後、ベルリンの壁が倒された時、「人民の敵!」とされ国外追放を受けたロストロポーヴィチがその壁の横でバッハを弾いたのでした。ショスタコーヴィチ 交響曲第5番「革命」第4楽章 - YouTube

こうして迫害された人たちの心情は知られていましたが、一方、ソ連でKGBとして暗躍したプーチンが東独のシュタージ(ドイツ民主共和国(東ドイツ)の秘密警察・諜報機関を統括する省庁である。正式名称は国家保安省・・・WIKI)がドイツ人たちの憎悪を受けているのを見たプーチンは「体制」を重視するようになった、ということもわかります。

ロストロポーヴィチらと全く正反対の「体制側」だった若きプーチンのドイツでの生活ぶりや東独の体制が潰れたことによるショッキングな現場を見たプーチンの深層、これを私は手に取るようにわかりました。

絶対的権力を得て、やがて老いていくプーチン、その犠牲となるのはロシアの国民もそうなのです。
「演習」といわれていた若者が他国で本物の戦闘に駆り出されてしまった動揺と苦悩、これも悲劇です。
ロシア国内でウクライナでの暴挙反対のデモをした人々は逮捕されていく、逮捕はされていませんがメドベージェワ選手のような有名人も反対しています。日本国内でもウクライナの人とロシアの人が共に今回の暴挙を非難しています。


 わが畏友、奥山篤信氏から

 今感動を呼んでいるこのyoutubeの通訳が感無量で咽ぶ涙
僕がいうとるように結局エモーショナルな人間の誠意 エモーショナルな正義感 不正と卑怯を憎む心 そしてそれに命がけで抵抗する人間への敬愛 これが最終的に勝敗を決めると信じたい!
正義こそ普遍性のある人間の怒りの源泉だ
・・・・・・・・・・・・・・・・
SNSで今一番話題。ゼレンスキー大統領演説のWeltのドイツ語通訳が涙で絶句。
Ukraina. Wir wissen ganz genau was wir verteidigen.
ウクライナ、それはまさに我々が守るもの、で絶句。
発音からドイツ人ではなくドイツ語を学んだウクライナ人だろう。

KRIEG in der UKRAINE: Dolmetscherin bricht bei Rede von Selenskyj in Tränen aus

奥山篤信氏の映画批評163 
波・宇・英合作映画
『赤い闇スターリンの冷たい大地で』(原題:MR JONES)2019
「ソビエトでは希望こそ思想の中心である。階級がなく、淑女や紳士がおらず、誰もが友人であるような国にいる、それはまれにみる清々しい経験だった」
バーナード・ショウ ~スターリン下のソ連を旅して
 ロイド・ジョージ、ニューヨーク・タイムズ社のピューリツァ受賞(革命後のソ連への好意的報道にて)のモスコー首席駐在員ウォルター・デュランティ、ジョージ・オーウェル、さらに当時の新聞王ハースト社主が出てくるこの映画は〈事実に基く〉というから面白い。愚直なほど真面目な主人公のミスター・ジョーンズことGareth Richard Vaughan Jones (13August 1905 ― 12 August 1935)は 、この事件の後、満洲国取材中にソ連政府NKVDにより復讐として暗殺された。
 元ロイド・ジョージの外交顧問であったコネもあり、1933年、かつてヒトラーにも取材したことがあるイギリス人記者ガレス・ジョーンズ(ジェームズ・ノートン)は、世界恐慌の中でソ連だけが好景気であることに疑念を抱き、その謎を探るため単身モスクワへ向かい、当局の監視を避けながら全ての鍵を握るウクライナを目指す。実はこのウクライナは1919年のウクライナ社会主義ソビエト共和国の成立を経て、1922年にはロシア・ソビエト連邦社会主義共和国や白ロシア・ソビエト社会主義共和国とともにソビエト連邦を構成した。ソビエト・ロシアにとって、ウクライナから収穫される小麦の輸出は貴重な外貨獲得手段であった。飢餓が発生してもウクライナの小麦は徴発され、輸出に回され続けたため、それが更なる食糧不足を招くことになった(飢餓輸出)。これが世に言う、一種のジェノサイドであるホロドモール(Holodomor)であり、ドイツのユダヤ人虐殺(ホロコースト)、オスマン帝国でのアルメニア人虐殺と肩を並べる虐殺事件であるが、一連の飢餓の事実をソ連政府が認めるのは、1980年代まで待たなければならなかった。

2008年、ホロドモール発生75年を記念して、キエフにウクライナ飢饉犠牲者追悼記念館が開設、2010年には国立化され、ホロドモール犠牲者追悼国立博物館となった。この虐殺は多分にウクライナ政府が反ロシア・キャンペーンに政治的・意図的に使うところもあり、この状況はウクライナだけではなくロシア本体も同じ状況だったとの反論もある。
 ソ連政府が飢餓の事実を認める事はウクライナ農民に譲歩することを意味したが、五カ年計画の成功を宣伝し、外交的承認を得ようとしていたソ連としては飢饉を認めるわけにはいかなかった。国際政治の場での名誉失墜は避けねばならなかったのである。

 当時ソ連に招かれていたバーナード・ショウやジョージ・ウェルズ、ニューヨーク・タイムズ記者のウォルター・デュランティ等は、「模範的な運営が成されている農村」を見せられ、当局の望み通りの視察報告を行っただけであった。まさにミイラとりがミイラになってしまった。
 そんな中でジョーンズは決死の潜入取材により、自らスターリンの理想郷はまさに飢餓のcannibalism(人肉食い)であることを経験・目撃したのだった。

 映画は伏線としてミスター・ジョーンズとドイツ人でモスコーのニューヨーク・タイムズに勤めるエーダ(ヴァネッサ・キルビー)の二人のプラトニックな愛も織り込み物語を盛り立てるのである。
 さて本映画に出てくるジョージ・オーウェルの予言『1984年』などシナのITを悪用した徹底的管理独裁の危険性にようやく米国を先頭に世界的に危機感が頂点に達しているが、当時『動物農場』(原題: Animal Farm)(1945年8月17日に刊行)にてジョージ・オーウェルが、実名を避けて、とある農園の動物たちが劣悪な農場主を追い出して理想的な共和国を築こうとするが、指導者の豚が独裁者と化し、恐怖政治へ変貌していく過程を描ているが、本書は実際にスペイン内戦に自ら参加した体験を持つオーウェルが、人間を豚や馬などの動物に見立てることで20世紀前半に台頭した全体主義やスターリン主義への痛烈な批判を寓話的に描いた物語である。
 監督は『ソハの地下水道』などのアグニェシュカ・ホランドがメガホンを取った。


3人の画像のようです
 人気の百田尚樹氏の「新版・日本国紀」連載です。

【百田尚樹の新版・日本国紀】#17 《明日香〜奈良時代編》第3回 「『天皇』という称号を編み出した男」





ブログのティールーム


今回は短い曲ですが大変美しいフォーレ「夢のあとに」をどうぞ。
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチの演奏です。

Mstilav Rostropovich plays Après un rêve Op. 7 no 1 by Gabriel Fauré






コメント (4)
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