ベッラのブログ   soprano lirico spinto Bella Cantabile  ♪ ♫

時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。

百田尚樹氏「ロシア人の呆れるような気質」・中村逸郎氏の話/奥山篤信氏の映画評論、英国映画「ベルファスト」

2022年03月27日 | 政治

1,気まぐれライブ「ロシア人の呆れるような気質」  百田尚樹氏



ロシア専門の学者、中村逸郎氏の本が面白い。
ロシアは戦争に関してはかなり高い知識があるが、中村氏は「エレベーターのボタン」で、ロシアのエレベーターは数字がバラバラである、という。
さらにやっかいなのは数字が消えている、「8がない!!」などと慌てることもある。
こういう国は他にも変なことがあるのではないか?

映画のシーンで農村の小屋で若い男女のラブシーンがあり、ランプを消すのに近くの棒で消したりする、ランプが壊れるなど後先を考えていない。
新年のお祝いも乾杯後、グラスを床に投げつけり場面、当然グラスは壊れる、掃除はどうするんだ、
これを中村氏は「とにかくうれしいんだ」という、これも日本人の感覚では理解できない。

プーチン大統領が写真で上半身裸の姿があるが、中村氏いわく、「そういう写真をとる政治家は日本ではいない」
中村氏はテレビで「99%、ロシアは他国に軍事侵略をかけるだろう」と予言。
中村氏の本は延々と面白いことが書かれている。「私たちの苦しい生活はいつまで続くのでしょう」というとおばあさんはニッコリ笑って「もっと悪くなるだけさ」という。現在ウオッカを買いあさっていて、これを飲まねばやってられない、とやけ気味。
中村氏は「核ボタンを押す可能性が多い」という。しかし壊れていることもある。

エリツインはかつて誤解して「核ボタン」を推したことがある。しかし作動しなかった。
今思えばぞっとする。

ロシア軍の戦死者が今までにないほど多い。短期間なのにである。
またウクライナ軍によって55キロまでロシア軍が押しもどされている。ロシア軍は前進をやめて塹壕を掘って受け身になっている。
そしてウクライナの人が極東のサハリンのようなところまで強制移住されているニュースもある。
ロシア国内も「反戦」の声があがっている。(走り書き)




 人気の百田尚樹氏による「新版・日本国紀」連載です。

百田尚樹の新版・日本国紀# 36《平安時代編》第8回「平安時代のLGBT」





2,奥山篤信氏の映画評論

◎英国映画<ベルファスト 原題Belfast>2021 5星

〜父が母に語る言葉<僕が出稼ぎのなかで、君がいたからこそ子供たちが立派に素直に育った、それを感謝しているよ!>〜

サー・ケネス・ブラナーSir Kenneth Branaghの少年時代の生まれ故郷の英国統治下の北アイルランド・ベルファストを宗教対立紛争が始まって家族と9歳の時に1969年にイングランドのレディングに移住した。彼はその後故郷に戻ったのは2011年実に40年以上の時は過ぎた。常に彼は故郷を懐かしみ、少年時代に父が移住するというのを母親と反対した、まさに故郷とは人間として家族として他人には理解できないほどの愛着があるのが普通だ。
そんな引き裂かれた思いは、ブラナーの心に棘として残り続け、この映画こそが自伝として、その故郷への豪州を描いたのである。

今ロシアとウクライナと引き裂かれた兄弟とも言えるスラブ民族の諍い、そこにロシアが腕力に任せて2月24日戦車を突入・侵略させ、同じスラブの兄弟を婦女子を含め無差別攻撃・殺戮している姿と比べると、野蛮さに劣るものはなく、あのアイルランド紛争の、宗教の対立、それもカトリックとプロテスタントの憎しみ歪み合いによる殺戮テロなど、もともと宗教など平和を祈るところか憎しみを掻き立てる、まさに憎悪の宗派と言われても、あの血なまぐさい何世紀にもわたる歴史を見れば、否定するものは居ないだろう。まあに宗教こそが戦争の全ての原因だ。(格差の問題や言語の差などここまで憎しみの差別にはならない)

映画ではカトリックを馬鹿にして<連中は懺悔さえすれば一切の罪から解放されるので、罪を犯すことは平気なんだよ。>とプロテスタントは揶揄して語る。まさに神学をマスターした僕にもその通りだと頓首するものだ。イタリアのカトリックの好例として、不倫を行い週明けに告解に教会に出向く、そしてまた不倫を重ねるというのがある。

プラナーはRADA(王立演劇学校)を首席で卒業した後、23歳の時にロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)に参加し、数多くの舞台に立つ。現在でも時々舞台に立っている。しかし既存の劇団の限界を感じ、自身で「ルネサンス・シアター・カンパニー」(RTC)を仲間と共に設立。『十二夜』、『お気に召すまま』、『リア王』、『夏の夜の夢』などを上演した。1989年公開の『ヘンリー五世』で、映画監督デビュー並びに初主演を務める。あの往年のシェックスピア俳優のローレンス・オリヴィエの再来とも言われる名優であり監督である。最近でもアガサ・クリスティの人気作品の映画化に二本ほど取り組みその解釈は唸らされるものがある。

映画は抑制を効かすためにモノクロであり、貧しい家庭の中で母親が正義感を込めて子供らしく振舞う教育の躾をしつつ、父親は出稼ぎにイングランドで働くという別居生活だ。そんな少年時代の寂しさやほろ苦い初恋の思い出そして惨劇と混乱、今でこそ苦しかったが<良い思い出>を見事なタッチで描くブラマー監督さらにこの映画と重なり合わせることのできる現在核戦争や化学兵器の濫用まで危機感が募るウクライナ国民の受難を思う時、観客が人間として家族の愛の絆をこれほど感じさせる映画もなかろう。まさに隣人愛としてウクライナ全国民への連帯感、さらには暴君の犠牲になっている加害国ロシアにいても命を賭して生きる誠意ある善意の家族たちへの連帯感、未だに古典的な力こそ正義なる地政学やマキャベリズムにて権力を欲しいままにし、私欲と金銭欲による暴力への愛着の暴君たち、まさに世界は野蛮時代に回帰したように思える時、とてもエモーショナルでセンチメンタルにほろっとなる愛の世界を感じる感動は、尊敬する名優ケネス・ブラマーに益々好感が持てるのだ。 


映画『ベルファスト』予告編【2022年3月25日公開】





ブログのティールーム

本日はレナード・バーンスタイン指揮によるベートーヴェン「エグモント」をどうぞ。

BEETHOVEN "Egmont Overture" LEONARD BERNSTEIN




16世紀後半、カトリックとプロテスタントの対立が激化していた頃、フェリペ2世が支配するスペインの圧政下に置かれたネーデルラント17州(現在のオランダ、ベルギー、ルクセンブルクなどを含む地域)の貴族のエグモント伯爵は、民衆の自由を守るために立ち上がるが・・・
後に作曲されたヴェルディのオペラ「ドン・カルロ」でのロドリーゴ・ポーザ卿はエグモントがモデルではないか、と思う。




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