★ 金融マグニュースのメルマガを見て、あまりのことに驚いた。
西部先生が「経済人が悪い」と仰っていたが・・・こういうことを言う人がいるのですね。転載しました。
『何をしている安倍政権、市場の期待に応えられる経済政策を打ち出せ!』 (山崎和邦)
一体全体、アベノミクスの仕上げにかかろうとすべきこの時期に、全部の政治エネルギーを集団的自衛権に投入してしまっている、このザマは何かと言いたい。
今は、そんな時期ではない。
安倍さんは「日本を取り戻す(民主党から取り戻すというのではなく)。経済を取り戻す」と標榜して「第1の矢、大胆な金融政策」「第2の矢、機動的な財政出動」を駆使して85%の株高、30%の円安を示現させて高い支持率を取り、その支持率の高さを利用(悪用)して、右傾化(NYタイムズも言っている。右傾化とは何かの定義は後でする)して、集団的自衛権・解釈改憲に猛進している。これが60年安保を死人まで出しても強行突破した岸信介氏の直系の正体だったのか、という所へ来ている。
1月22日の世界経済フォーラム(通称ダボス会議)の基調講演で、安倍さんは法人税に踏み込んで語った。「『法人税を今年4月から2.4%引き下げます』企業が貯めたキャッシュ(註:200兆円以上ある)を設備投資・研究開発・賃金引き上げへ振り向かせるため、『異次元の税制措置を断行します』。『さらなる法人税改革に着手します』」と言った(『』は筆者付す)。
昨年4月の黒田さんの「異次元金融緩和」がバズーカ砲となって効いて、世界中から「クロダには逆らうな」(兜町用語で言えば「国策に売りなし」)となったから、いい気になって「異次元の税制措置」と気軽に言ったか?
法人課税専門医委員会で大田弘子座長が改革案を示すが、その目的として「立地競争力を高め、企業の競争力を強化する」とある。これは良しとするが、法人減税を語ると、そのあとにバカのひとつ覚えのように財源々々と言う。今回は「税源は複数年度で確保し減税を先行させる」としている。これも良しとするが、「恒久減税である以上は恒久財源を確保する」と言っている。
法人減税して却って税収が増えた例が、サッチャー時代の英国に洗礼を採れと言いたい。レーガン時代の米国にも、クリントン時代の米国にも先例はあった。日本にもあった。98年と99年に減税したが、2000年、04年、05年、06年、07年には税収は減税前より増えた。日本の法人税はピーク時には43.3%もあった。先進国に例を見ない。大企業は良く頑張ったと言おう。
問題は国内の約270万社のうち、法人税を納入しているのは70万社のみ、約4分の1だ。残り4分の3は法人税を払っていない。その期に赤字だからだが、赤字の企業は大半が中小企業だ。オーナー経営者が個人の私服を肥やして会社は赤字にして、個人の所得税は払っても法人税は払わず諸インフラにはタダ乗りしてきた。赤字の中小企業にも課税すべきだ。税源を軽減されている中小企業にも税負担を求めるべきだろう。広く薄く徴税して行くことがいい。
市場経済の殿堂・シカゴ大の教授だったラッファー教授のラッファー理論なる単純明快な理屈がある。レーガンもこれを用い、法人税減税後に却って歳入は増えたという事実がある。クリントンもやった。
30%を超える国は米国・日本・フランス・ペルーの4ヵ国しかない。思い切って25%にすれば、日本は様変わりになる。海外投資家は日本株買いに殺到する。「アベノミクス」は法人税大幅引き下げと言う「アベノタクス」と農政改革を以て完成に向かう。
最初のヤマ場は、6月に出る成長戦略にどのように法人減税を明文化するか、である。「昨年6月5日のトラウマ」がある。あの日に政調戦略を聞いた国内外の投資家は、拍子抜けして後場から大幅暴落した。それが青春期相場を終焉して整理身分になっていた市場に作用して、6月13日の12445円まで半年かけて上がった分の半分を3週間で消した結果になった(尤も、これが明快な陽性の底入れになったが)
『山崎和邦の投機の流儀』より抜粋 著者
山崎 和邦
慶應義塾大学経済学部卒。野村證券、三井ホームエンジニアリング社長を経て武蔵野学院大学名誉教授に就任。投資歴51年に及び野村証券時代の投資家の資金を運用から自己資金で金融資産までこなす。
★ うわあ~、これっていったい何? 国家のこと考えていない、防衛のことなどまるで頭にない、驚いた!!