以前ご心配をおかけし、入院までした父は大変元気になり、医者も驚くほどの回復だった。
一昨日など父が眠っているのを見て、ゴミ収集日なのでゴミ捨てに行っていそいで帰ると、ベッドに起きあがっていた。
そこでトイレに行かせ、おむつ交換したらビッショリだったので、それを近所のゴミ収集所に持って行き、すぐに折り返し帰ると玄関のドアが開かない。
父が鍵をかけたのだと思って、声をかけると鍵を開けてくれた。
こんな時、父が転倒していたらどうするのかと思うと冷や汗だった。
それにしても父は一日中、家の中をいそいそと歩く。
大きなビーチボールは100回以上、キャッチボールでき、鋭い投げ方をしてボールが真正面に、毎回同じ場所にくるように投げている。
食欲もあり、私としては「ここまでできたんだ」と誇らしく思った。
父の入浴は台風がくるということで、いつもより早くさせた。
そして夕食を作る時、ふと見たら父がいない、廊下へ出て外へ行こうとしているのを何度も止めるほどだった。
台風がくるので、家事も手早く済ませ、父を寝かせたがおめめパッチリ、全く寝ない。
やっと寝かせて、私はバスルームに行き、出てきたら父がフロアーに倒れていた。
タオルケットを持っていたので、手すりを持てなかったようだ。
以前はうちわを手放さず、ベッドへ行こうとして倒れかかったのを私は片腕だけで支え、数日痛かった。
だからタオルケットを持ったらいけない、と一日中注意したが意地になって握って放さない。
そのタオルケットを持って倒れていたのだ。
とても起こせない。フロアーにそのまま寝かせ、枕を頭の下にいれて上からタオルケットをかけた。
血圧を測定したが異常はない。
よくしゃべる。足は片方ずつ上にあげたりする。
頭を打ったのではないか、と一番怖い心配をしたが、よくしゃべるし、指を一本ずつ折り曲げることもできる。
父は認知症で説明ができないので、私が推し量るしかない。
ベッドへ運ぶ力は私にはない。背中が痛いという。
フロアーに寝ていたら(私は毎夜、父のベッドの近くのフロアーに寝ている。背中が痛くなるが夏はひやっとして気持ちがいいのでそうしてきた)背中が痛くなる。特に父はふかふかのベッドに寝ているので特に痛いだろうと思う。
骨折はしていないようだ。ずっとしゃべるしよく笑う。足も片方ずつ高くあげて遊んでいる。
今までも転倒して背中を打ったことがある。
コルセットと膏薬を貼って1カ月で治る、と外科医から言われ、その通り、一か月で治ってきた。
でも、娘としては心配でたまらない。
台風なので救急車も来れないだろう、それに外は暴風と大雨である。
私は入浴を夜中まで待ち、やっと入浴できたのだ。
毎日こうである。
父が眠ってしまうまで、傍にいなければならない。
照明を消すと父はよく眠る・・・しかし、今夜は違った!
これからはヘルパーさんが来られる時間に私の入浴は済ませようと思う。
今までは食材や薬局へ行っておむつを買ったり、時には書店で本も買った。急いで帰ると、もう時間だった。
ヘルパーさんに父の見護りをお願いして、来て頂いている時間を有効に父から離れて用事を済ませた。
これから、父の眠っている時間に、というのは無理だ。
いつ目が覚めて行動を起こすかわからない。
ヘルパーさんの来られている時間しかバスタイムはない。
父はいつでもバスタイムができるのだけど。
それに・・・S病院の救急は台風が通り過ぎてから。
私は「台風だから、ずっと父の傍にいるべきだった」と後悔した。
救急車がこない、暴風域である、ということをもっと厳しくとらえるべきであった。
こうしてブログを書いているのは、父のすぐ傍である。
「施設へ入れたら?」と人は私の窮状を知って言うが、それはできない。
きっと私を探すだろう。
それに私は父をいつも大切にしていて、何事も即対応できるようにしている。
父はいつも幼児のように、私を探す・・・。
父がしっかりしていたころは、音楽に興味のない父は私を家政婦のように思っていて、私は音楽に専念したいのにと、よく口げんかしたものだった。それに私は母親の世話も引き受けていた。(今は亡き母親のことは今まで書いてきた)
父とべったりの親子関係ではなかった。 今は父に「私がいないとダメ」となっている。
このとんでもないほどの大変さが、「もうイヤだ」ということにはならない、むしろいろんな工夫をこらして面倒をみることに
自信が出てきた。
しかし、これは私の不注意というか・・・限界とでもいうか・・・治ったら、いろいろ工夫を考えている。
こうして台風の夜は過ぎて行く。今回のことを新たな反省にして、台風が収まったらS病院に連れて行かねばならない。
父は「お~い!」と気楽なものだ。
そして介護する私はいつのまにか、肝がすわるようになってしまった・・・。
そう、いちばん大変だったのは、ベッドから滑り落ちたり、
知らないうちに、起き上がって、フラフラ歩いたあげくに、
床に横になってしまって起き上がれなくなった時。
なんとか起こして、ベッドに戻すのが大変でした。
男の人って、やせていても重いんですよね!
始めは、私もまだ若くて?!、
それまで山の中で自然農に取り組んで、日常的に力仕事も多かったので腕力もあったのですが、
だんだん・・・非力になってしまいました。
で、最近になって、
非力な人でも、かなり重い人を抱き上げられるという技術を知りました。
技術ですから練習が必要だとは思います。
でも、あの頃これを知っていたらと思いました。
もしかしたら、お役に立つのではないかしら・・・
「古武術介護 実践編」岡田慎一郎
http://www.youtube.com/watch?v=on-yRuDuVX8&feature=related
私の腕もひっかき傷が絶えません。
拳骨で背中を叩く、ひどい時は大変危険なこともあるのです。
私も創意工夫していますが、認知症ですので、
仕方がありません。可愛がっているのですが「悪いペットみたい」と思うとおかしくて。
でもこの介護法、勉強します。
ありがとうございました。
本の中に一つだけ
「介助中に暴力をふるわれたときの対応」が、ありました。
暴力を受けない自分の身体の位置を知り、
素早く対応して動くことのようです。
けれど、応用は自分でしなければならないわけなので。汗)
今のところ、真正面から世話をするとアブナイということだけ、です。
ボクシングのミットで受けていた(女性の専用、ダイエットや美容で使用する小さなもの)、これはあきらめるようになりました。
それと私が思いあまって「噛みついた」ことがあって(笑)「噛む真似」をするとおとなしくなります。・・・うわ~、恥ずかしいです。