その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

雪掻きのため遅刻  N響C定期/ ネヴィル・マリナー指揮/ ドヴォルザーク交響曲 第8番

2014-02-17 23:31:22 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)


 いや~、週末は東京もすごい雪でしたね。土曜日の朝、先週末にも劣らない雪に車や家が覆われていました。雪は既に雨に変わっていたものの、風は強いし、重い雪が雨水を吸い取り、我があばら家が雪の重みで潰れないかと心配になるほど。

 11時過ぎには雨もやみ明るくなってきましたが、今度はご近所さん一堂による大雪かき大会の始まり。午後のN響定期に備え、さっさと自宅前は特急で済ましたものの、バス通りに出るまでの100メートルほどの細道を隣の70を過ぎたおじいさんが一生懸命やってくださっている。そして、それに引っ張られるように近所のオジサン連中も手伝う。「そこまでややらなくてもいいんじゃないですか?腰に来ますよ。気温が上がってきたから、放っておけば、溶けますよ。体優先で行きましょうよ」と声をかけてみたものの、「いやあ、この辺りをやっておけば、皆さん車を出せるでしょう~」と一向に止める気配なし。そんな中、私が「スイマセン、外出するのでお先に失礼します~」といって途中抜けなどとても出来る雰囲気でなく、結局、一段落して解散したのは14:00前。コミュニティの責務は一応果たしたものの、楽しみにしていたマリナーさん指揮のN響定期はスタートに間に合わず、ダッシュで駆け付け後半の1曲のみの鑑賞となりました。


≪雪が残るホール前≫

 そのマリナーさんとN響によるドヴォルザーク交響曲第8番。とっても心地良い演奏でした。マリナーさんの指揮は、(たしか)私は初めてなのですが、クリアで堅実。必要以上にスラブ色を強調したり、濃淡をつけることなく、見通し良くまとめ上げるという感じ。とても今年90歳を迎えるとは思えない、背筋がピンと伸びた、折り目正しい指揮ぶりです。N響との相性も良いようで、管も弦も良く鳴っていて、安定してハイレベルな演奏でした。民族とか、物語とかを考えるのではなく、音楽そのものを味わうべきとでも言うような曲作りです。

 終演後の熱い拍手も印象的でした。聴衆は、この日と同様、雪に見舞われた先週末よりも多かった様な気もしましたが、普段よりは少ない。それでも、拍手の暖かさ、大きさは特筆すべきものでした。更に、楽団員さんからも大きな賞賛がマリナーさんに寄せられていたのも気持ちが良かったです。ステージ上で照れるマリナーさんと、客席、ステージ双方から送られる拍手。何とも、ほのぼのとした演奏会です。

 1曲のみの鑑賞ではありましたが、無理してでも行って本当に良かったと温かい気持ちでNHKホールを後にしました。


≪NHKホール三階後方部の廊下から≫


第1776回 定期公演 Cプログラム
2014年2月15日(土) 開場 2:00pm 開演 3:00pm

NHKホール

ドヴォルザーク/交響曲 第7番 ニ短調 作品70
ドヴォルザーク/交響曲 第8番 ト長調 作品88

指揮:ネヴィル・マリナー

No.1776 Subscription (Program C)
Saturday, February 15, 2014 3:00p.m.
NHK Hall

Dvorak / Symphony No.7 d minor op.70
Dvorak / Symphony No.8 G major op.88

Neville Marriner, conductor
コメント (2)
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