≪平成館にて開催中です≫
ゴールデンウィークの谷間の午後、半日お休みを貰って、新緑あふれる上野の東京国立博物館を訪れました。「キトラ古墳の壁画でも見られればなあ~」と思って出かけたのですが、そんなに甘くはありませんでした。入場に50分待ち、入場してから30分待ちで、辿り着くのに1時間半近くかかるということを知り、あっさり断念。
代わりにと言っては失礼ですが、同じく国立博物館で開催中の企画展「栄西と建仁寺」を鑑賞しました。今年は、「京都最古の禅寺「建仁寺」を開創した栄西禅師(ようさいぜんじ、1141~1215)の800年遠忌」にあたるということで、「栄西ならびに建仁寺にゆかりの宝物を一堂に集めた展覧会」です(HPより)。
こちらの展覧会もかなり混んでいましたが、質量ともに優れた展示で楽しめました。日本史は受験科目であったのに、栄西は正式には「ようさい」って読むことを知り、「えいさい」だと思っていた私にはいきなり衝撃でした。
印象に残ったのは、雲龍図をはじめとする海北友松の襖絵や屏風の数々です。とりわけ、龍の迫力はすごかった。睨まれて、身がすくむ思いがするという表現がぴったりです。
左4幅
右4幅
≪重要文化財 雲龍図 海北友松筆 安土桃山時代・慶長4年(1599) 京都・建仁寺蔵≫
本展の目玉である俵屋宗達筆の「風神雷神図屏風」は最後の最後に展示してあります。素晴らしい逸品であることは間違いないのですが、既に2時間近くを費やしていて、体力的、精神的にもガス欠状態。ボーっと、眺めるにとどまりました。5/11まで(確認して下さい)は、本館2階で尾形光琳の「風神雷神図屏風」も展示されていますので、比較すると面白いです。構図は同じですが、俵屋宗達の方が迫力、おどろおどろしさを感じ、印象は違います。
≪国宝 風神雷神図屏風 俵屋宗達筆 江戸時代・17世紀 京都・建仁寺蔵≫
会場を出ると、キトラ古墳の入場待ち行列は20分程度に短くなっていましたが、並ぶエネルギーは無いし、もう十分楽しんだので退場。夕日が新緑を照らす上野公園で、コーヒーを頂いて、帰路につきました。この展覧会、会期が短い(5/18まで)ので興味のある方はお早めに。