その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ユネスコ無形文化遺産のある町 千葉の佐原へ小旅行

2017-05-08 08:00:00 | 旅行 日本
 今年のGWは広島・宮島旅行を計画してホテルまで予約していたのだけど、事情によりキャンセル。近場でゆっくり楽しむことにしました。今回、日帰りで訪れたのは千葉県東部の香取・佐原エリアです。

 朝早く東京を出発したら、思いのほか道も空いていて、朝の7時半には香取神宮へ到着してしまいました。香取神宮は、創建は神武天皇の時代で、経津主大神(ふつぬしのおおかみ)を祭ってあります。明治以前は、日本で神宮を名乗れたのは、伊勢神宮、鹿島神宮と香取神宮の三社だけという由緒正しい神社とのこと。朝の神社は、静かで空気も澄んでいて、厳かな雰囲気が倍増します。早起きは三文の得を実感。


《入口の鳥居》


《石灯篭の参道。もみじの木が多かったので、秋は紅葉が綺麗そう》


《楼門(重要文化財だそうです)》


《本殿(これも重要文化財)》

 続いて、佐原地区へ。江戸時代に利根川の水運で栄えた佐原は、江戸優りというぐらいだったとのことですが、今も重要伝統的建造物保存地区として、歴史的町並みを残しています。まだ、町自体は眠っている中、そぞろ歩き開始。


《小野川の周辺に古い屋敷が軒を並べています》


《馬場本店酒造。江戸時代の天和年間創業。煙突は明治31年の建築》


《馬場本店に残る、樽などへ商標を刻印する品々》

 景観に加えて、この町の自慢(売り)は2つ。ユネスコ無形文化遺産(国指定重要無形民俗文化財)指定を受けた日本の「山・鉾・屋台行事」を構成する「佐原の山車行事」「佐原囃子」と日本で初めて実測による日本地図を完成させた伊能忠敬。

 山車祭りの方は、恥ずかしながら私は全く知らなかったのですが、観光案内所で係のおじさんがかなり詳しく解説して頂きました。「日本一の」大人形を載せた山車が街を練り歩くそうです。そして、お勧めにより、実物の2機が展示されている水郷佐原山車会館を訪れました。実物を間近で見るとその迫力に圧倒されます。人形はリアルで怖いぐらい。定時で、山車祭りを紹介したビデオもシアターで鑑賞し、佐原囃しの響きと合わせて、祭りを疑似体験。これで、これらの山車が登場する夏祭り、秋祭りに来ねばならないと決意。


《各地区ごとに山車を持ちます》


《神武天皇を載せた山車》


《人形の迫力が凄い》


《山車の彫り物も見事》

 続いて、小野川の舟めぐり。あやめ、菖蒲の時期にはやや早いですが、春の日差しの中ゆっくりと川を行くのは、旅行気分が高まります。


《樋橋(じゃあじゃあ橋):小野川にかかる橋ですが、中央に水がじゃあじゃあ流れ落ちているのが分かりますでしょうか。もとは江戸時代の前期につくられた佐原村用水を、小野川の東岸から対岸の水田に送るための大樋だったとのこと》


《手漕ぎ舟ではありませんが、静かにゆっくり舟は進みます。おじさんの観光案内付きです》


《まったりとした雰囲気》

 そして、伊能忠敬の住居跡を見て、記念館へ。失礼ながら郷土資料館みたいなものかと想像していたら大違いで、立派で本格的なものでした。生い立ち、測量旅行、測量に使った道具、実際に作成した地図(国宝のホンモノが展示されてました)、そして忠敬の半生のビデオなど、1-2時間は平気で経ってしまいます。50歳を過ぎてから、日本中を測量に旅するなんて、やっぱり人間は熱意ですね。



 街自体はこじんまりしたものですが、結局5時間近く滞在し、十二分に楽しみました。本当は足を延ばして、潮来や鹿島神宮とかにまで訪れたかったのですが、それは次回に取っておきます。


《道の駅・川の駅水の郷さわらから望む利根川》
コメント
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