「ビリー・エリオット」の日本語公演がある。一昨年この報せを聞いた時から、ついこの間まで、行くべきか行かないかをずーっと迷っていた。あの世界観、あの歌をどう日本語に乗せるのか?がっかりするにきまっている。安くはないお金を払って、小姑のような小言を呟き、欲求不満に陥るものを見に行くだけではないか。
先月から公演が始まってものの、あえてネットでの評判をチェックするのも封印していたが、いつも立ち寄るチケット屋に2日後のチケットがお手頃価格で売りに出ているのを見て、思わず衝動買いしてしまった。それでも、開演直前まで当初の懸念は消えず、自問自答を繰り返していた。
幕が上がるとあの北東イングランドの炭鉱町の世界があった。微妙なディテールの表現の違いこそあれ、ロンドンのビクトリア・パレス・シアターと同じ、あの空間が展開されていた。今となっては、DVDで見たり、CDを聴くことしかできない「ビリー・エリオット」のリアルが東京にあった。やっぱり「生」がいい。
終幕し、最後はスタンディングオベーションまで見られた劇場には、ロンドンと同様の、キャスト、スタッフへの労いと感謝、そして感動の表現である暖かい拍手に満ち溢れていた。私も観に来て良かったと、心から思った。
2017年8月6日午後5時開演
(具体的感想は、次回のエントリーで)