3連休の中日に、箱根ポーラ美術館を訪れました。ポーラ美術館の開館15周年記念展と銘打った「100点の名画でめぐる100年の旅」の鑑賞です。ポーラ美術館のコレクションを1860年―1970年の100年に渡って、年代別・テーマ別に展示し、時代の絵画の特徴や技法の変遷を辿り、近代西洋絵画史を追いかけることができます。
展示の100点を通じて、ポーラ美術館のコレクションの幅広さと質の高さに驚嘆します。加えて、年代順という比較的オーソドックス配列により、西洋の美術の流れを体感できると共に、日本人画家が西洋美術をどう受け入れてきたのかと言う視点でも楽しめ、とても興味深い展示です。
今回ラッキーだったのは、ギャラリートーク駅伝というイベントに出くわしたことでした。これは、学芸員の皆さんが、駅伝方式でたすきをつないで、30分ごとに1作品、一日通して様々な絵画を解説してくれるというものです(今年で6回目ということなので、この時期に毎年やっているようです)。1枚30分ですので、画家の紹介から、絵の特徴、時代背景など、かなり深い解説が聞けます。学芸員の皆さんのトークも上手で、興味・関心を引きたててくれるものでした。
私自身、普段はなかなか日本人画家の情報や解説に触れる機会は多くないのですが、今回、岸田劉生の「麗子像」のトークを聞き、明治後期から大正時代に移る日本の世相、学芸誌「白樺」の役割など、日本史の知識と絵が結び付き、とっても勉強になりました。過去に数種類を観ている「麗子像」の理解も深まり、感謝です。
時間の関係で、3作品(区間)の解説しか聴けなかったのですが、1日滞在できれば10区(10作品)のお話が聞けますので、相当楽しめます。来年はこのイベント狙いで、訪れてみようかしら。
2018年1月7日 訪問