私にとっては、今年のコンサート初めです。凍えるような寒さの曇り空の中、体を縮ませてNHKホールへ。
この日の指揮者ウンジャンさんって珍しい名前だなあと思ったら、お父様がアルメニアの出身とのことで、そちらの名字なのでしょうね。
冒頭のエグモント序曲は極めて正統な演奏でした。この曲は、短いながらも実にドラマチックかつ勇壮で好きな音楽です。
2曲目は日本初演の、アダムスの「アブソリュート・ジェスト」。弦楽四重奏のメンバーが前方に位置し、後方のオケとコラボするという面白い構成です。セント・ローレンス弦楽四重奏団のメンバーは若く(見える)、衣装もカジュアルな人もあり、リラックスした雰囲気で、ベートーヴェンの曲の断片を折り込みつつ、現代風(?)にアレンジされた音楽が展開されました。非常に楽しめるものでしたが、丁度、中盤に差し掛かったぐらいで、私の冷えた体が会場の暖房で暖まり、意識を失う事態に。後半復活しましたが、日本初演の貴重な機会だっただけに自分の集中力を欠いたのは残念でした。
休憩後はホルスト「惑星」。冒頭の「火星」からオケが良くなってました。ウンジャンさんの指揮は、精緻でバランスを取ったアンサンブルよりも、大らかにぐいぐいと推進させることに重きを置いているように聞えました。ホルン、トロンボーン、トランペット等、各パートの力演が楽しめます。いつものN響っぽい丁寧さよりは、大雑把な感じがしないわけではありませんでしたが、それはそれで違いの楽しさですね。
ラストでは舞台袖から聞こえてくる新国立劇場合唱団の女性合唱も美しい。消え入るようにフェイドアウトしていく合唱で終演。久しぶりの生の「惑星」を堪能しました。
今年もN響、大いに期待です。
第1878回 定期公演 Aプログラム
2018年1月28日(日)
開場 2:00pm 開演 3:00pm
NHKホール
ベートーヴェン/「エグモント」序曲
ジョン・アダムズ/アブソリュート・ジェスト(2011)*[日本初演]
ホルスト/組曲「惑星」作品32**
指揮:ピーター・ウンジャン
弦楽四重奏*:セント・ローレンス弦楽四重奏団
女声合唱**:新国立劇場合唱団
No.1878 Subscription (Program A)
Sunday, January 28, 2018
3:00p.m. (doors open at 2:00p.m.)
NHK Hall
Beethoven / “Egmont”, incidental music op.84 - Overture
John Adams / Absolute Jest (2011)* [Japan Première]
Holst / “The Planets”, suite op.32**
Peter Oundjian, conductor
St. Lawrence String Quartet, string quartet*
New National Theatre Chorus, female chorus**