新国立劇場のオペラに続いて、演劇の「真夏の夜の夢」を東京芸術劇場プレイハウスにて観劇しました。
シェイクスピアの「真夏の夜の夢」をベースにしつつ、野田秀樹が潤色。原作のアテネの宮殿を日本の割烹料理屋に、アテネ近くの森を富士山麓に置いて、所々、登場人物の台詞も読み替えています。テンポ良く、洒脱で、言葉遊びたっぷりなところは原作と同じですが、全体を通して受ける印象は全く別の芝居になっていて、「おーそう来るか~」と驚きの連続で、あっという間の2時間でした。
役者陣もそぼろ(ヘレナ)、ときたまご(ハーミア)役の鈴木杏、北乃きいの両女優を初め、皆さんの熱演、怪演たっぷりで、私の2階席にも熱量が一杯伝わってきました。
演出のシルヴィウ・プルカレーテはルーマニアの舞台演出家で、随分有名な方のようですが、私は初めて。私が持つ原作の「森」のイメージとは異なる世界観でしたが、映像を効果的に取り入れた舞台は、現代的で不思議な「富士山麓」が表現されていました。
新国での「リチャード2世」も女性客が多いと思ったけど、この公演も8割近くは女性客。シェイクスピア劇ってこんなに女性ファンに偏っているのでしたっけ?
三密を避けた席割り当てで、両隣は空席のためゆったり。贅沢な観劇体験となりました。
日程:2020年10月29日
会場:東京芸術劇場 プレイハウス
原作:ウィリアム・シェイクスピア 小田島雄志訳「夏の夜の夢」より
潤色:野田秀樹
演出:シルヴィウ・プルカレーテ
出演
鈴木杏、北乃きい、加治将樹、矢崎広、今井朋彦、加藤諒、長谷川朝晴、山中崇、河内大和、土屋佑壱、浜田学、茂手木桜子、八木光太郎、吉田朋弘、阿南健治、朝倉伸二、手塚とおる、壤晴彦