その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

N響B定期会員デビュー! N響、鈴木秀美 指揮、ハイドン交響曲第98番ほか

2021-09-18 07:30:00 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)


この日は、私にとって記念すべきB定期会員デビューの日です。新入社員のような新鮮な心持ちで、ステージ後方のPセクションのマイシートに着席しました。

指揮はコロナ禍によるピンチヒッターで鈴木秀美氏。N響とは初共演とのことですし、私自身も氏の指揮に接するのは初めてです。古楽を得意とする鈴木氏ならではのバッハ親子とハイドンのプログラムも楽しみ。「バロック、前古典派、そして古典派へという音楽史の流れが、鈴木秀美指揮のN響が奏でる音楽で辿ることができる」作りです(久保田慶一氏のプログラムノートより)。

そして、プログラム自身の興味深さに加えて、演奏の素晴らしさが掛け合わさって、実に充実した演奏会でした。冒頭のバッハの組曲第3番は、自宅でもCDで時々聴く曲ですが、生で聴くのは音の肌触りまでが感じられてCDとは全然違いますね。時には優しく、時にはゴツゴツとも感じられる質感がダイレクトに伝わってきます。コンサートマスター白井さんのヴァイオリンの美音が良く聴こえること。至福の時間でした。

続く、大バッハの次男C. P. E. バッハの2曲は(きっと)初めて聴く曲。お父さんの音楽と似ているのかと思ったら、ずっと激しく、スケールも大きいのが驚きでした。シンフォニアのニ長調は管楽器も入って、立派な「『古典派』の交響曲」(プログラム解説)でした。

後半のハイドンの交響曲は第2楽章の美しさが愁眉。プログラムには〈ジュピター〉の第2楽章との類似性から「亡きモーツァルトへの「レクイエム」であると推測されることがある」と書かれていましたが、そうとしか聴こえませんでした。

全曲を通じて、古楽のスペシャリストによる意思に満ちた指揮にN響がプロアクティブに応えた名演奏でした。私としても、B定期会員デビューを祝福して頂いているようで、とっても満ち足りた気分。これから毎月、このシート、お世話になります!

ところで、10月はブロムシュテッド翁3本立てなのですが、来日は大丈夫なのでしょうか。発表があるまで、期待と不安が入り混じった毎日になりそうです。


第1937回 定期公演 Bプログラム
2021年9月16日(木)開場 6:20pm 開演 7:00pm
サントリーホール

バッハ/組曲 第3番 ニ長調 BWV1068
C. P. E. バッハ/シンフォニア 変ロ長調※
C. P. E. バッハ/シンフォニア ニ長調※
ハイドン/交響曲 第98番 変ロ長調 Hob. I-98

指揮:鈴木秀美

No. 1937 Subscription (Program B)
Thursday, September 16, 2021 7:00p.m. (Doors open at 6:20p.m.)
Suntory Hall

Bach / Suite No. 3 D Major BWV1068
C. P. E. Bach / Sinfonia B-flat Major *
C. P. E. Bach / Sinfonia D Major *
Haydn / Symphony No. 98 B-flat Major Hob. I-98

Hidemi Suzuki, conductor
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