カウンセリングや心理学を実務家兼大学教員として生業にしている友人のお勧めで手に取った。
半分マンガ、半分文章による解説の構成となっている。「何度注意してもお米を大量に炊いてしまうのは何故?」、「家にいるのに「帰りたい」というのはなぜ?」、「排泄に失敗してしまうのはなぜ?」といった章立てで、認知症の事例を紹介しつつ、「本人がなぜこういう行動にでるのか?」という本人の心の仕組みを理解することを主眼とする。このアプローチをとることで、介護する人も少しでも楽になるという。
マンガが状況をよく捉えてとってもリアルで、かつユーモアにあふれるので、面白く分かりやすい。小学生から中学生までの数年間、認知症となった同居の祖母のケアに、家族全員が苦労した私個人の体験ともだぶって、こんなアプローチを当時知っていたら、もう少しは救われたかもと思った。
認知症自体の治療を説いたものではないが、知る、理解するということの大切さを強く教えてくれる一冊だ。
お勧めです。