その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ディマ・スロボデニューク/N響、ロシア・プログラム @サントリーホール

2024-11-25 07:30:39 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)

ディマ・スロボデニュークさん指揮のN響B定期に行きました。初めて実演に接するスロボデニュークさん指揮によるロシア・プログラムです。

私的に今回のお目当てはチャイコフスキーのヴィオリン協奏曲。ヴィオリン協奏曲の代表格のような作品で、私もとっても好きな一曲です。なぜかここ数年、生で聴く機会に恵まれず、しかも今回はロシア出身のボリソグレブスキーさんがソリストということも加わり、とっても楽しみにしていました。

ただ、結果としては、お目当ての前半よりも後半の方が印象的な演奏会となりました。ボリソグレブスキーさんは流石の名手という感じで、技巧に富んだ切れ味良い演奏を聴かせてくれたのですが、なぜか私の胸に刺さらず。言葉化する能力に欠けるのが我ながらもどかしい所ですが、歌が感じられなかったという印象で、私の好みにはミートせず、残念。

後半のプロコフィエフとストラヴィンスキーはいずれも初めて聴く曲でしたが、とても楽しめました。プロコフィエフのバレエ音楽「石の花」は、バレエ音楽らしい優雅で美しい音楽。バレエの情景が目に浮かぶようです。

ストラヴィンスキーの「3楽章の交響曲」は「春の祭典」を思い起こさせるようなリズミカルで勇壮な第一楽章、穏やかでうっとりさせる第二楽章、そして強い推進力を感じる第三楽章と、個性に溢れた各楽章をN響の力の籠った演奏で満喫。

スロボデニュークさんも、今回の三曲は得意とするレパートリーのようで、自家薬籠中の楽曲という印象です。ジェスチャー大きく、しかも小気味良い指揮ぶりでした。

また、この日目(耳)を引いたのは、オーボエの首席を務めた吉井瑞穂さん。N響でもおなじみのゲスト首席ですが、彼女のオーボエの音は響きは明らかに一線を画しています。芯が太くて強い音がぐっとオーケストラ全体を底上げします。

11月は3名の「若手」指揮者のそれぞれの個性を味合う、10月のブロムシュテッドさんとはまた違った楽しみに満ちた演奏会でありした。

 

 

定期公演 2024-2025シーズンBプログラム
第2024回 定期公演 Bプログラム
2024年11月22日(金) 開演 7:00pm [ 開場 6:20pm ]

サントリーホール

PROGRAM

曲目
チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
プロコフィエフ/バレエ音楽「石の花」─「銅山の女王」「結婚組曲」
ストラヴィンスキー/3楽章の交響曲

指揮:ディマ・スロボデニューク
ヴァイオリン:ニキータ・ボリソグレブスキー

Subscription Concerts 2024-2025Program B
No. 2024 Subscription (Program B)
Friday, November 22, 2024 7:00pm [ Doors Open 6:20pm ]

Suntory Hall

Program
Tchaikovsky / Violin Concerto D Major Op. 35
Prokofiev / The Tale of Stone Flower, ballet―The Mistress of the Copper Mountain, Wedding Suite
Stravinsky / Symphony in Three Movements

Conductor Dima Slobodeniouk
Violin Nikita Boriso-Glebsky

【クリスマスモードに入ったサントリーホール】


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